第25話 アストラテトラ
「女神アストラテトラ?」
確かにアースのいた教会に女神が書かれた絵があったような…?
「あくまで似てるって話でまさか本人なわけないでしょ?ただ似てるだけじゃないかな」
アンナはそういうがなんというか他の人とオーラが違うんだよなぁ…
「ライトが言ってたあの人からすごい魔力感じる、グラよりすごいかも」
ラミーユの言葉に俺はアンナを見る
「グラさんよりも魔力強いんだってよ」
「…だからって女神様とは限らないじゃない。それこそグラさんみたいに人間の世界に溶け込んでる立場の人だったりするかもでしょ」
「…て、ラミーユどこいった」
先程までテーブルでぐでーんと伸びてたラミーユが気づけばそこにおらずまさかと思いつつさっきの女の人の方を見るといた。
なんというか少し離れているため声は聞こえないが話しているようだ
俺たちは仕方ないとテーブルを離れラミーユの元に駆け寄った
「あれ?あなたのその剣、神器ディレメスじゃない?行方不明だった神器をなんであなたが?」
「グラから貰った」
「グラ…?もしかして元魔王軍幹部のグランディータ…?確かに魔王城経由なら理解出来る…」
そんな会話が聞こえはじめアンナはそんなはずは無いとブツブツ呟き始めた
「うちの仲間がすいません…」
女神の可能性があるため若干腰を低く接する
近くで改めて見ると女神にふさわしいほどの美しさで綺麗な金髪は日に照らされ輝いているようにも見える。そして遠くから見てもわかったがかなり胸が大きい。グラさんよりも大きいか?
「あの…失礼なこと考えてない?」
「そんなことないです」
なぜ毎回バレるのか。女の勘というやつだろうか
「それで?君たちがこの子の仲間?…ふーん…結構強いね。ディレメスを使いこなせるだけあるねー」
「あ、あの!」
アンナが話を止めて女の人に話しかけた。
「もしかして、女神アストラテトラ様だったりしますか…」
「へー、ボクを知ってるんだ。隠さなくてもいいかなって思ってはいたんだけどバレちゃうかー」
女は頭をかき笑う
「マイナーな女神だけどよく知ってるねーもしかしてボクの信者だったり?」
「い、いえ、昔読んだお話に出てきた女神様なので記憶に残ってたので…」
「あっそっか。でもボクがでてたお話って1個だけじゃなかったかな?…まぁ君たちに聞きたいこともあるし場所を変えない?ここでもいいんだけどさ、聞かれちゃまずいし」
俺たちは近くのカフェに移動することにした
ちなみにレンはまだ列に並んでおり慌てて呼び戻した
「それで女神様は…」
「あーちょっと待って。マイナーとはいえ一応女神だしテトラって呼んで?あと敬語必要ないよ」
「あ、あぁわかった。テトラはあんなとこで何してたんだ」
「ここ最近とある世界から来た冒険者達が地元の料理をこの国で広めてるみたいで、それの様子見だよ。あまり広めすぎてもこちら側としてはあまり良くないしね」
こちら側というのは女神側ということだろうか?
「そういえば君たち、ディレメスを持っているといいボクの正体気づいても普通にしてたり、ボク達のことを何か知ってるの?」
「…さっきから黙ってるその剣から女神とか転生者とかの話は聞いた」
(少年、我を売るのはやめてくれ。まさか女神様が直々に地上に降りられているとは思わなかったんだ)
「本人がいないからって聞こえないところでコソコソと秘密暴露とかしてたら人間だったら社会的に死んでるからねキミ」
(申し訳ございません…)
「それで?ディレメスからどこまで聞いたの?隠さず正直に言って欲しい。…その、こっち側の不利益な情報とか聞いてたら君たち消さないとだし」
サラッと怖いこと言うなぁこの人
「こいつから聞いたのはさっき言った女神の存在と転生者、あと神器についてのことだよ。あまり深くまでは聞いてないし触れない方が厄介事に巻き込まれなさそうだしな」
(間違いありません…。)
「ふーん。なら大丈夫そうだね。でも元々ディレメスはそこまでお喋りなふうに作られたんじゃないけど、なんか君たちにはそうとう懐いてるみたいだね」
「俺たちってよりラミーユに懐いてるな。」
「ん、ディレメスいい子」
(ラミーユ嬢…その言い方は勘弁してくれ)
テトラはくすくすと笑う
「ボクはね、一応崇められる存在なわけだけどたまにこうやって地上に降りて様子を見に来るんだ。毎日のように祈られる大宗教の女神とは違ってボクを崇めてくれる人なんて両手…いや、片手でも数えられるくらいしかいないし。だからまぁ上の世界でも結構扱いが酷くてね?どうせ降りるならって雑用とか任されてるって訳」
テトラははぁとため息を着く
「でも物語に出てるって言ってたじゃないか。」
「君、ボクが何を司る女神なのか知ってて言ってる?」
アンナにちらりと視線を向ける
「復讐、怨念を司る女神様よ」
あちゃー…
「その物語ではモンスターとなってしまった親を勇者に殺された勇者の親友がアストラテトラ様に邪な力を分け与えてもらうシーンがあるの」
それ女神ってより、敵側じゃん
「女神ってなんかこう、神聖な感じのをイメージしてたんだけど、どっちかと言うと邪神なんだな」
「はっきり言うね君!仕方ないじゃないか僕だってなりたくてなってわけじゃないんだ。でも誰かがやらないとこの世界はバランスが取れなくなる。」
テトラはコーヒーを飲みはぁとまたため息をつく
「そういえば話が変わるけど魔王軍元幹部グランディータからそのディレメスを受け取ったって聞いたけどどういう関係?」
「俺たちを鍛えてくれる人だよ。修行つけてもらってるし」
「???????? でもあのグランディータは今では伝説と謳われているラティカ・フロリア以外に負けたことがない、リッチの中でも最上級に強いんだよ?」
「そのエティカ・フロリア、俺の師匠だよ。」
「????????????????????」
確かによくよく考えればあの師匠の山に近い街だから俺の事ちょっと1歩引いてるくらいの距離感で接してくれたみんなが凄いのか。もし他の街から来た人ならこういう反応になるのか
「ぼ、ボクをからかってる?ちょっと君の頭の中見せてもらうよ?」
俺の頭の中を覗いたテトラはやばいものを見てしまったと頭を抱え始めた
「何者なんだよ君はぁ!」
マイナーとはいえ女神の立場のやつに言われたくないな
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