第19話 昔からの仲間
グラさんの仲間の2人は教会の地下に閉じ込められており、そこに行けるルートは教会を正面突破する他ないとの事。
裏がある宗教とはいえカチコミするわけで、正直あまり乗り気になれない
「みんなの顔がバレて指名手配とかされると厄介じゃからな。プレゼントじゃ」
グラさんから渡されたのは真っ黒のフード付きのマントだった
「ワシの魔術により防御の魔術を施しておるから防御面は問題ないと思う。じゃが…」
グラさんは俺たちをじっと見つめる
「ワシから頼んでおいてなんじゃが大丈夫かのう。みんな顔が暗いが…」
「そりゃそうだろ、俺たちはモンスターを倒すために冒険者やってるのにいきなり人を殺れって言われても…」
「…ん?あぁそうか言ってなかったか。その教会にいるのは二足歩行の豚の魔獣、オークじゃよ
あやつらはゴブリンと同じで下位モンスターじゃがどうやら後ろに魔王軍がいるようでのう。その街の人間にはオークも人に見えるように洗脳されておるらしく、そのオークは魔術を使える」
「は?ちょっと待てよ。その街は人間が一番偉いって考えてる街とか言ってなかったか?」
「そう考えている街じゃからこそ、まさかその街の、そこの教会がモンスターの根城なんて誰が考えるんじゃろうなぁ?」
「たしかに誰も考えないか…」
「君たちはその教会を取り押さえてさえくれればいい。後のことはワシに任せろ」
「気をつけるんじゃぞー」
グラさんが俺たちを大きく手を振って見送ってくれる。
グラさんに転移を任せれば一瞬だがせっかくの冒険なんだし自分たちで行くことにした
「でもグラさんって仲間捕まってるのにやけに達観してるよな。第三者目線で物事を見てるような…」
「自分では教会に入れないから私たちに任せるとはいえもう少し焦ってる様子とか見せるはずなんだけどね」
前にレン、後ろにラミーユ、その真ん中に俺とアンナがいる状態で道を進む
当分モンスターが出てこないとはいえ一応は警戒しておく
「グラ言ってた。仲間が捕まったのはグラの責任で、ライト達がそれを助けに行って捕まったらどうしようもなくなるから今回は慎重にって」
「なるほどなぁ」
確かに俺たちが捕まったら誰が助けに来てくれるんだろうか
…考えないでおこう。
「でもグラさんの仲間2人…ノーラさんとマリーさんだっけ。2人ともグラさんと同じくらい強いはずなのになんで捕まえられたんだろうね?魔王軍幹部がただのオークにやられたってこと?」
「そもそも魔王軍がなんで魔王軍幹部捕まえてんだって話だよな。そこら辺もちゃんと聞くべきだった」
こんな感じで大事なことを話さないところとかがあるせいで完全に信じられるわけじゃないんだよな
それに前から考えていたが魔王城の防衛でしか働いてないはずのグラさんの2つ名が冷却死人ってのが気になる
死人がリッチって意味ならまぁ分からんでもないが…
俺たちはモンスターに出くわさずに道を進んだ
「そろそろ目的の街だからフードを被るとしようか」
俺たちは全員フードを被りまた道を進む。フードで目が隠れてしまうかと思ったが大して問題はなかった。ラミーユがちょっと邪魔そうにしていたくらいは何事もなく、何故かモンスターにも襲われずに数分後には呆気なく隣町、ルクスに到着した
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