第17話 ラミーユ

グラとのしょーぶは楽しい

私が本気を出すとみんなこわれちゃう。でもグラは私の本気よりも何倍も強い

グラはいいしょーぶになってきたって言ってたけどグラは本気を出せてない。グラの本気、見てみたい。でも私がこわれちゃうからグラは本気を出せない。

(ラミーユ嬢は共に高め合う仲間が欲しいのか?)

ディレメスがあかいほうせきを光らせながら話しかけてくる。

「よく分からない。私は強くなりたいけど強くなりすぎるとみんなと壁ができちゃうから。私は強くても弱くても1人になっちゃうから」

(ふむ、人間というのは難しいものなのだな。)

「ん、難しい。」

ディレメスを使うようになってから私はかなり強くなったと思う。こわれない武器だし便利だと思う

ただひとつ困ったことがある

(困ったこと?)

「それ。私の頭の中読まないで」

ディレメスを持ってる時、私の頭の中はディレメスが読めてしまう。ちょっとはずかしい

(何を言うか。我は神器ゆえ持ち主の思考を把握し完璧なタイミングでの火力調整をしておるのだ。)

「むぅ。困った」

(ラミーユ嬢の思考はかなり読みやすい。戦いの時は既に脳内で動きをイメージしその通りに動く。我はそのイメージ通りに火力調整をすればいいからこちらとしても助かる)

わたしはディレメスを壁に立てかけて、その前に座る

「今は頭の中見えないの?」

(そうだな。持ち主に触れてもらうことで直接脳内を見ているからこの状況では見れない)

「腰にかけてる時は?」

(読めないな。柄に触れてないし剣先も鞘に入っているからな)

「何となくわかってきた。逆にディレメスの頭の中をを私に見せることは出来る?」

(不可能だ。読み取りはできるが、こちらから送り込むとなるとディレメス嬢の体を我が乗っ取れば可能だ。乗っ取った場合返却することができないためあまりおすすめはしないが。)

「体を乗っ取る?」

(我ら神器の一部の者は対価をいただく代わりに所有者に力を与えることができる。その力は相当なものだがその分、その対価は大きい)

力は手に入るけどディレメスに体が取られるってこと?それはやだ

(我としてもラミーユ嬢とこうやって会話するのはかなり充実した一時と考えている。是非とも我に乗っ取らせるようなことさせないで欲しい)

うーん…

「よくわからないけどわかった」

私は何となく周りを見渡す

ライトたち3人は何か話している

グラはどこかに行ってるし…

(そういえばあのグランディータというリッチ、たまに外に出ていくが何をしておるのだ?)

「分からない。でもこのダンジョンで何かしてるって言うのはわかる」

(ほう?このダンジョンの下の階から何か大きな気配を感じるが何か関係があるのだろうか)

「多分?ご飯いっぱい持って行っているから何か飼ってるのかも」

(ふむ、そこまで知っておいて何がいるか知りたくないのか?)

「興味無い。グラはいい人だから大丈夫」

(だといいがな…)

私はディレメスを手に取り鞘に収める

グラはいい人だからみんなを騙したりなんかしない。それに3人ともこの短い間にかなり強くなってる

(実際あのリッチの修行には目を見張るものがあるな。まさか本当にゴブリンを倒すだけで強くさせるとは。)

「ん、グラすごい。私には絶対にできない」

(ラミーユ嬢はまず教え方を上手くなることだな。擬音だけだと相手も理解できるものもできない)

「え、グーってしてバーンじゃだめなの?」

(…あの3人が天性の戦闘狂なら伝わると思うがな…)

じゃあ前ライトに教えた時もわかってなかった?

役に立ったと思ったのに。残念

(そういえばラミーユ嬢は3人の元に行かないのか?)

「ん、私はみんなを守るだけ。それにあの3人はおさななじみ?って言ってた。私は入れない」

ちょっと寂しいけど、私は邪魔になっちゃうから

(そんなことないのではないか?少なくともあの少年はラミーユ嬢のことを仲間だと認識しているように見えるが)

私はぼんやりと3人の姿を見つめる

何か懐かしいものを感じるけどなんだったっけ?

…思い出せないし別にいいか

ん、ライトが私を見てる

「ラミーユもちょっと来てくれないか?」

ライトは私に向かって手を振っている

「行っていいのかな…」

(良いと思うぞ。ラミーユ嬢もれっきとした仲間。仲間の交流はとても必要なものだ。行ってみるといい)

ディレメスの返事に押されて私はライト達3人の元に駆け寄った

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