第4話 開始
まず冒険者になるには冒険者組合、つまりギルドに冒険者登録をする必要がある。
山から出て10分ほど歩けば街に入れるし、山から1番近い街、ローリエ街の名所と言ってもいいほどギルドは大きく、人もいるので迷うことなくギルドに到着することが出来た
街にはこっそりとはいえ何度も来ているがこの街は冒険者の始まりの地ということもあり賑わっている
レンガで立てられた家がずらりと並び街の中には小さいながらも噴水がある。
その中で一際目立つのがギルドだ。ギルドも他の家と同様レンガで作られているが大きさは一目瞭然。普通の家の3倍はある高さに街の中央を陣取っているだけはあるほど広い。
ギルドはシガリー王国だけではなく全世界にシステムは違えどあるらしく、ギルドの入口の上には木の看板に冒険者ギルドローリエ支部と書かれている
俺はギルドを1度見上げてよし。と声に出し扉を押した。
中に入るとたくさんのテーブルといすが並んでおり、それを埋めつくさんとばかりに武器を携えている冒険者たちが座っている。
昼間だと言うのにお酒を飲んでいる者、真面目に次のクエストの作戦会議をしている者。その中に以前から街に来た時に知り合っていた者もいる。
大量の机が並ぶ反対には受付が3つ、その横に掲示板のような大きなボードがある。
まずは受付を済ませるとしようか。
「すいません、今日20歳になったので冒険者登録しに来たんですけどここで良かったですか?」
俺は身分証明書を受付に座っている女性スタッフを見せる
女性スタッフはにこりと笑い身分証明書を受け取る
「はい、こちらで結構ですよ。お名前と生年月日
を確認しますので少々お待ちください」
スタッフが身分証明書を四角形の台座のようなものに置くと、台座の少し上でまるで映像のように映し出された。
「えーっと…ライト・アーデスさん。生年月日は…はい。確認いたしました。お誕生日おめでとうございます」
スタッフは俺に身分証明書を返却して笑顔で言った
…誕生日祝われたのなんて久々だな…
師匠がいた頃は毎年祝ってくれたのに…
…おっと
「ではまずこちらなんですが冒険者カードと言いまして、ギルド全国でご利用できる証明書になります」
そう言って俺の元に身分証明書と同じくらいのカードが渡してきた
よく見てみると ライト・アーデス 20歳 Lv1 ウィザードと書かれていた。
その下には知能や腕力などの横に数字がある。ステータスだろうか
「まずLvというものなんですがライト様は現在最低Lvです。このカードを登録してからモンスターを1度も倒しておりませんので。Lvはモンスターの命を奪う行為をした時点でそのモンスターの経験値がそのカードに溜まっていきます。そして経験値なのですが数値化はできるもののどういうものなのかいまだ把握出来ておらず、モンスターの強さ相応の経験値が入るとしかわかっておりません。」
倒したモンスターが弱ければ少しだけ、強ければ相当貰えるということか
「経験値が一定の数値を超えるとレベルが上がります、これは一度に1つだけではなく高範囲魔術などで複数倒した場合などはそれだけ経験値が入りますので2つ以上上がる場合ももちろんあります」
強いモンスターを倒したら何十もレベルが上がるということは師匠から聞いていた
レベルってなんだって思っていたが
「レベルを上げていけばその下に書かれているステータスの数値も上昇していきますのでより強いモンスターを倒すことが出来ます。ライト様のステータスを見たところ…やはりウィザード職ですので魔力数値が高いですね、ほかのステータスも普通よりは少し高めで…」
まぁ子供の頃からあの師匠にしごかれてきたしな
むしろこれ師匠が知ったらなんでこんな低いステータスなんだって怒るんじゃないか
「次にウィザード職というものの説明なんですがそのままですね、剣士でしたり魔術師だったりその人の冒険者としての職業のことです。ここにウィザードと書かれていますが変更することもできます、変更はされますか?」
「いや、そのままで大丈夫です。」
「そうですか、最後にあちらの掲示板ですがモンスターを倒すお仕事、クエストがありますので無理のないクエストがあれば受けることが出来ますのでよければぜひ。」
スタッフに軽く頭を下げ俺は掲示板の前に立ち何となく眺めることにした。
低レベルでも受けることの出来る仕事なんてたかが知れているが。
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