第3話 黒魔術と白魔術

「さて、行くか」

俺は多少の荷物を手に取り小屋のドアを開けようとして…

「あぶね、忘れるところだった」

テーブルの上に放ってある手袋を慌てて手に取る。

黒1色の手袋だが師匠から受け取った代物だ。

俺はどうやら人よりも魔力操作が下手らしい。

…いい意味でも悪い意味でも

それを人並みにコントロールできるようになるのがこの手袋って訳らしい

…おっと。まずこの世界についての予備知識を語るとしようか。

そもそも魔力とは、さっきから話に上がってる黒魔術ってなんなのか。

例えば俺たち魔術師は呼吸をするだけでマナと呼ばれる魔力の元を吸収することが出来る。それを体内で魔力に変換できる体になっているんだ。しかも自動で、すごいよな

で、マナだが簡単に言えば酸素と同じようなものだと思って欲しい。もちろん酸素も存在はするが。

そんなマナがどこから出ているかというと、この世界のどこかにありえないくらい大きい木が生えているらしい。それをみんな神樹って言うんだがその木からマナが出ているらしいんだ。

酸素と同じようにマナにも薄いってのがあって、マナが薄いところって言うのは基本的に人間が住み着いてるところ、要は街とかだな。

しかしマナが酸素と同じと言いきれない理由の一つなんだが濃いマナというのもあるんだ。なんで人間は薄いマナのところに住んでいるか、単純だ、そこにしか住めないからだ。

普通、人間は薄いマナの場所で生まれるから濃いマナの元にいるとまず体が耐えきれない。最悪の場合、マナに適応できずに体が破裂するんだ。

森やダンジョンなどでは奥に進めば進むほどマナが濃いと言われているから基本的に立ち入れない。

だがそれはあくまで薄いところから急に濃いところに行ったらの話だったりする。

ダンジョンっていうのは先程も言った通り奥、つまり地下に行けば行くほどマナが濃くなる訳だが

中間地点というのが存在する、薄くは無いけど濃くもないみたいなちょっとしんどいところだな。

少しづつ体が慣れていけば問題は無い。だから場数を踏んだ歴戦の冒険者とかなら余裕で耐えれる。

それともうひとつ、マナが濃いところは体に適応できないから危険なのか。答えはNOだ。マナが濃いとモンスターがよく湧くんだ。濃ければ濃いほど強力なモンスターが現れる。

森やダンジョンだって進めば進むほど強力なモンスターがいるだろ、そういうことだ。

だから人間は体が適応するしモンスターも滅多にわかないマナの薄いところにいるわけだな。

マナの説明はこんなところか。

では次に魔力について、これはたった一言。魔術を使用するためのエネルギーだ。魔力は体内に秘められており魔術を放つ際、体内から放出され、魔術が発動される。

体内に秘めている魔力が多ければ多いほど魔術が使えるわけだな。

そして、魔術についての説明だ。

まず1つ目。魔術の中でも大きくわけて黒魔術と白魔術がある

違いと言えば黒魔術が攻撃や殺傷など対象に害を与える魔術。逆に白魔術が再生や回復など対象を癒す魔術だ。

ただ白魔術は幻影や催眠などがある。

そこに師がつくと使い手というわけだな。

大雑把な解説だったが理解してくれただろうか。


そんな誰にでもなく解説をしているとあっという間に山を降り少し先には街が見えた。

師匠に渡された山だが師匠が出ていった今は俺の家となっている訳なんだけど基本姿を見せない師匠が出ていったとしても本当かどうか分からないし誰も立ち入らない。

正直俺が山にこもっていたら冒険者になれるなんて知らなかったんじゃないか?

ひとまず俺は冒険者ギルドへと足を進めた

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