可愛くない俺は妹のアレを絶対にくんかくんかしたりしない……。
……脚本を最後まで読み終えた俺、
血の繋がらない義理の妹、
兄妹のいる境遇ならこの気持ちは分かって貰えると思うが、実の妹と義理の妹の違いはあれど、なかなかラブコメみたいな展開は起こらないだろう……。
試しに目の前にあるノートパソコンで【妹ラブコメ】というキーワードをお馴染みのガーゴイル先生で検索すると、俺のかわいい妹萌えなラノベ・アニメ作品の紹介ページが多数ヒットするが、その中のタイトルを見ても、うわぁ!? と思ってしまうモノが多い。
決してディスっている訳ではないが、【♡可愛い忌もうとちゃんと、とラブラブえっちをするたった一つの冴えた♡ヤリかた♡】とか、さらに攻めすぎたタイトルで、
【お兄ちゃんの股間の
うおっ!? この【お嬢様女子高の美少女全員が突如、妹化して俺の守り通したキングオブ童貞を奪いに夜な夜なシフト制で夜這いを掛けてきた件。~奇病に掛かっている俺は何度上に乗られても童貞膜が再生するので発射し過ぎて身体が持ちません!!】は劇場アニメ化もされているのか!? 監督はあの〇崎監督が務めているのか……。妹ちゃんの聖なる汁がキラキラ透過光でハーモニー処理って凄すぎるぜ!!
ちょっと、観てみたいかも。 なになに。劇場公開の初日特典は妹抱かれ枕ってパワーワードは一体何なんだ!? ええっ、アニメ本編もシーズンシックスまで決定だって!!
でも童貞には処女みたいに膜があるのか!! 何て無粋なツッコみはきっと受け付けてくれないんだろうな。
タイトルの妹の部分は誤字ではないので誤字報告は何卒ご容赦ください……。
余談だが以前中の人が別のラブコメ作品で【高校聖夫婦】と懐かしの大映ドラマのネタを使ったら、誤字報告専門の読者様から【高校生夫婦】誤字では? と指摘が入ってションボリしちゃった経験があるんだ。まあ誤字報告は大変ありがたいのだが、ギャグの小ネタを説明するほど恥ずかしいものはないんだ……。
おっと脱線してしまった、これは失敬。
……このガーゴイル先生の検索結果も忘れずに即、削除しておかなければな。
先日、俺の部屋で未祐の所属するアニメ同好会の自主制作作品、
【
そのアフレコ台本を兄妹で読み合わせをしていた際に、検索結果のエピソードが挿入されていたが、アレは未祐の親友、森田千穂ちゃんの創作ではなく、後から妹が台本に勝手に付け加えたんだ。それを俺が気付いて見とがめると、
『べ、別にいいでしょ!? 何か問題があるとでも!! これは夢小説なんだからぁ……。それに拓也お
未祐の奴。妙にアタフタしていたな……。
夢小説とは!? ジャンルは恋愛小説に限らないが、読者の読了中の没入感を高めるために登場人物の名前を変更出来る小説フォーマットのことだ。
愛好の層は圧倒的に女性が多いみたいだ。
確かに俺がやるゲームも名前を自分にしてプレイするのでそれと同じような感覚なのかもしれない……。
それにしても検索結果だって自分が捏造したんだろ!! ひどい話だぜ……。
何でも千穂ちゃんの夢小説を良く理解するために、俺の居ない間にパソコンで妹に関してのエロいワードを検索したのは自分じゃないか。俺はもともとパソコンに掛けてあるパスワードは未祐にも教えてあるんだ。だからあの脚本は事実に即してはいないんだ。
えっ!? 拓也お兄ちゃんって妹とパソコンを共有でマズくないのって? うんうん、それはとってもいい質問だね。結構その手の事故案件は良く耳にするからよいこのみんなの心配はありがたいな。パソコンだけでなくスマホでもありがちだろう。
やはり中の人の話で恐縮だが、小説の音声読み上げソフトって便利だけど、あれも危険な代物だ。その事故案件では家族団らんで夕食をしていた時に、サイレントにしていなかったスマホがリビングの壁に掛けていた鞄の中で、何かの拍子に音声アプリが再生されて、自作のエロコメ小説を読み上げて大惨事の修羅場になりかけたんだ……。
その自作エロコメのタイトルは……。
【無自覚巨乳な学園一の美少女を背後からむにゅむにゅしたら「そこは違うよぉ!!」ってめちゃくちゃ怒られた件。〜ぷるるん♡とした柔らかいおっぱいに俺は全力で癒やされてます!?〜】
だったんだからもう家族の団らんどころではなくなったぞ。それも作品屈指のエロいシーンが。アプリの女性の合成音声で爆音のままリビングに流れ始めたんだ……。
*******
『よし、ここで豆を摘まんで』
『れいっ、そこは違うよぉ、それは私の!?』
『あっ、あーん♡ 箸を引っ張っちゃ駄目!!』
こ、この声は!? 俺はお豆さんじゃなく、何を摘まんでしまったんだ。
『それは茜のさきっぽ…… 別のお豆さんだよぉ♡』
https://kakuyomu.jp/works/16817330650202145653/episodes/16817330650249927996
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これはきついぞ!! 地獄の責め苦だ。はっ、俺はいま誰かに憑依されていた気がする。でも悲惨な中の人が少しでも哀れだと思ったらリンク先のエロコメも読んでやってくれ、いい意味で脳死状態で読めるから悩みも吹き飛ぶぞ!!
では本題を進めるとするか……。
俺がノートパソコンに簡単なパスワードしか掛けていなのは表向きなんだ。
実は裏パスワードがあって、これは未祐にも教えていなんだ。
デスクトップに表示されない切り替えのメニュー画面からしか入れない階層には
俺の汗の涙と男汁の込められたお宝が隠されているんだ。
だから未祐に見られて変態扱いされることもない。俺って策士だろっ!!
まあ、本音を言えば未祐だけにはそんな部分を見られたくはないんだ……。
わざとおちゃらけて振るまっていたのがよいこのみんなにも悟られてしまったかもしれない。延々と茶番劇みたいなことを話しているのもそのせいだ。
妹の未祐と初めてあった日のことは今でも鮮明に覚えている。
白いワンピースと大き目な麦わら帽子が良く似合う可愛い女の子だった。
俺はわざと舞い上がっているふりをした。新しい母親が出来て本当に嬉しかったのは嘘ではないが、それよりも未祐のどことなく醒めたような表情が妙に引っ掛かったから……。
『……じゃあ、俺の部屋に行こうぜ、あっ、ごめん、今日からは二人の部屋だな!!』
麦わら帽子の少女は無表情で俺の後をついてきた。二階に続く階段の狭い踊り場で偶然触れたお互いの腕と腕。石鹸の甘い香りが俺の
部屋に女の子を通すのは幼馴染の真奈美以外では初めてのことだ。
何で俺はこんなにも緊張しているんだ!? これから妹になる女の子だぞ……。
俺は顔を上げて単細胞な男の子の仮面を被った。これから始まる未祐との平穏な生活のために……。
思えばあれから仮面を被ったままで何年も経っちまったな……。
そして俺は
「……未祐、お前ってやつは本当に」
次回に続く。
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