第10話 覚悟の斬撃
「ふふふ…私の水に触ると怪我するわよ…」
「…ならその水の攻撃を切り開くまで!」
「
ルーシェは水を撃ってくる。それをギリギリで弾き返しながらテオは向かっていった。
そしてルーシェに斬りかかる。
しかしルーシェは水になって地面に消え、テオの遥か後ろの方まで移動していた。
「分身か…?」
「いいえ?あれは紛れもなく私。だけど私は水になることもできるの。私に物理攻撃は効かないわ」
そう言うとルーシェは後ろから水を撃ってきた。
「なるほど…これが魔女の力か…!ならばこっちも新しい技を使う!」
「
テオが魔法を唱えると剣が氷を纏っていった。そしてその剣で水を斬ると氷結していった。
「…へぇ…やるね!ならこれはどう!?」
「
魔法を唱えた瞬間、ルーシェの後ろから大波が押し寄せてきた。
「同じ技は使わないか……だったら!」
テオは剣を地面に突き立て魔法を唱えた。
「
突き立てた剣から波紋の様に氷が地面を這って広がっていく。
しかしその魔法では大波を止めることができなかった。
速さを変えず大波が近づいてくる。
テオは大波を飛び越し、ルーシェに飛びかかった。
「魔法が効かなかったからって、また同じように斬りかかるつもり?また逃げるわよ?」
「…あぁ…確かに俺の魔法じゃあんな大波は止められない…。だが俺が魔法を発動したのは波を止める為じゃねぇ!足元を見ろ!」
ルーシェが下を確認すると足が凍っていた。
「…っ!…くっ!逃げられない!」
「氷の斬撃なら効くはず!くらえぇぇ!!」
ズバッッッ!!……
……斬れた。ルーシェの足が。
しかもテオの斬撃ではなくルーシェの水の斬撃で。
ルーシェは後ろに飛び距離をとる。
「お前…自分で…自分の足を……っ!?」
「はぁ…はぁ…私を舐めないでね…そう簡単に斬れると思わないで…」
膝から上しかないルーシェが言う。
「あなたさっき自分で大波の様な攻撃は凍らせられないと言っていたわね…なら大波…大滝…最上級の水魔法であなたを潰す!」
「
テオは棒立ちで逃げることなく上から降ってきた大滝に直撃した。
ガラガラガラ………
(………!?崩れた…!直撃したと思ったあれは本体ではない!雪で作られた分身……!?)
瞬間、滝を突き破って剣が飛んできた。
その剣はルーシェの腹部に刺さった。
(くっ……剣が……!)
そして突き刺さった剣からルーシェの体が凍っていった。
(この剣…!氷を纏ったまま…!)
「…
そして拳に火をつけたテオも滝を突き破り
ドガァンッッッ!!
ルーシェに渾身の拳をお見舞いした。
「……オイオイまじかあの1年、ルーシェをぶっ飛ばしたぞ…?」
「これは……」
「…テオ君の勝ちだね。」
こうして水明の魔女との決闘はテオの勝利で終わった。
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