第9話 水明の魔女

その日の放課後、テオは試合場に呼び出されていた。


「呼び出したのは…貴女ですか?神技会2年トップ……ルーシェ先輩。」

「そうよ。こんにちはテオ君。」

「まず…要件を聞いてもいいでしょうか?」


といってもテオは大体内容を予測していた。


──────1日前テオとフィアの団欒にて


「……ふーーん、あ、あと私あんたと牛の言い合いの途中から行ったんだけど、なーんか挑発的じゃなかった?」

「まぁそうしないと決闘にはならないと思ったからな」

「…何を考えているの?」

「……結果的に俺はコバンに勝って神技会を下ろした。これで1年のトップがいなくなる訳だ。」

「そしたら神技会は実質1年トップの俺をスカウトしにくるだろ?」

「それで神技会に入るの?」

「当然断る!…だがそうするとあいつらは決闘を使って強制的に入れようとするだろう。」

「それを逆手にとるって訳よ!」……


───────

「…あなた…神技会に入らない?」

「……断ります。」

「ふーん…なら方法は1つなんだけど…?」

「構いません…それでいきましょう。」


「…なるほどね…会長は別に神技会に入れなくていいって言われたけど……個人的にあなたが欲しくなったなー」

「私が勝ったら神技会に入りなさい。あなたは何を望む?」


「俺は……」


「俺が勝ったら会長と話をさせて下さい。」


「わかったわ…じゃあ試合の始まりー」


そういった瞬間ルーシェは水の魔法を唱えた。


「…水の刃アックア・ラーマ


ルーシェの手から糸の用な水が2本発射された。

テオはかすっただけだったが少し顔に穴があいてしまった。


「ふふふ……」



…その様子を神技会の3年達が見ていた。


「あの剣使い…まさかルーシェにまで手を出すとは…驚きました。」

「確かルーシェは2年の中でも特出したバケモンだよな。やってんなぁ!あの1年!」

「あの水明の魔女をどう攻略するか…見させて貰うよ。テオ君。」

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