第8話 虚言と溶解

「はあぁ!!」


ザシュッッッ!!


テオは雪だるまを切ったがあまり刃が通らなかった。


ドドドドドドッッッ!!


そうしている内にも雪だるまは攻撃を止めない。


(く…!この雪だるま意外に硬い!)


そしてあと数回切ってやっと1つ雪だるまを倒す事ができた。


(本当にこのどれかに委員長がいるのか…?というかどうやって隠れているんだよ!)

(……どう…やって……?)


ここでテオは疑問に思った。本当に中に隠れているのか、と。


(……雪だるまは自動ではなく全て委員長が動かしていた…なら俺が見えていないと雪玉の標準が合わないはず!)

(それなのに俺を正確に狙ってきている!これはつまり…!)

(委員長は雪だるまの中ではないどこかにいる!)


辺りを見回したがテオは委員長の姿を見つけることができなかった。


(とにかく木の影に隠れる!)


テオは走り木の影に隠れた。雪だるまが追ってくる。


(撃ってくるか…!)


雪だるまは口を開けたが攻撃する事は無かった。


(……!?なぜ撃たない…!?…いや…撃てない理由があるのか…?)

(……うん?この木…少し溶けてないか…?……まさか!)


テオは木を斬り倒した。

その瞬間全ての雪だるまが溶け、木も雪となり溶けて委員長の姿になった。


「…どうしてわかったの?あたしは雪だるまの中にいるって言ったのに?」

「途中までは気がつかなかった…でもわざわざ雪だるまの中にいるって言う事は雪だるまと戦わせる為の嘘なんじゃないかと思って」

「…雪だるまの中じゃ周りの様子も見えないだろ?だから他の所で操作している…と思ったんだ」


「…じゃあ木の変装の事は…?」

「…あれはたまたま逃げた先の木が委員長の木だっただけさ、まぁちょっと溶けてたから気づいたけど…」


その言葉を聞いてフレイはその場に倒れた。


「あーあ…これは完敗だ!テオくんやっぱりすごいね!さっきの子はこの戦法見破れなかったのに」

「いやぁ委員長の分身の魔法とかすごかったよ。よかったら…俺に教えてくれないか?」


「うん!いいよ!よーしがんばろー!」


こうして雪使いの委員長との実技が終わった。


「…やっぱり一筋縄ではいかないね~真正面から潰さないとだめね……」

その戦いの一部始終をルーシェは見ていた。

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