第5話 私怨の戯言

「ねぇどうしてくれんの?」


放課後、フィアは3人の女子に裏庭に呼び出されていた。


「あんたはコバン様を負けさせたあの剣士のツレだよね?」

「それだけでも十分重罪なのに、聞けばその部下を2人も殴ったらしいじゃん?そんなんもう死刑っしょ。」


「…だから何?殴られた本人が文句言いに来るならまだしもあんた達には関係ないでしょ?」


3人は徐々に怒りを露にしていった。


「だからさ~~~謝れっつってんの!コバン様はあたしらの押!し!なの!」

「押しに恥かかせといてその態度はないよね~」

「はぁ~~~もういいわお前。…決闘よ決闘!…今日知ったんだけど決闘ってなんか賭けられるらしいじゃん?」

「じゃ、あんたが負けたらあたしらの奴隷になって? もちろん3対1ね?」


怒りで何も見えてない事に呆れながらもフィアは聞く。


「因みにあんた達、魔法は使えるの?」


思いもしない質問に3人は吹き出す。


「え?www逆にあんた使えないの?女なのに??そんなのもう勝負が決まったようなもんじゃんwww」


「…はぁ……まぁ使えるのねOK」

「じゃあ私が勝ったら私に魔法を教えなさい」


「は?www意味わかんねぇしwwwまぁうちらが負ける訳ないけどねwwwいいよwww」


「じゃさっさと決闘をするわよ。お先にどうぞ。」


「そのお高~い態度が気に食わないんだよねぇ!愛の束縛スチィアビィトゥー・アモーレ!」


地面からツタが生え、フィアを拘束した。


「あら~wあっさりかかったねwしかもそのツタ、攻撃上昇ピウ・ポテンザかかってるから自分で解けないと思いな?」

「しかも空中で拘束されてるから魔法も使えないんだよね~wか~わいい~www」

「攻撃上昇したツタで拘束してからのあーしの氷魔法でとどめ!最強の作戦だわ~wじゃこれで終わりね」


氷山の槍イチェベルグ・ランチャ!」


ドガァン!!


「ちょっと~やりすぎwせっかくの奴隷が死んじゃうじゃ~んw」

「いーのいーのwここは安全区域だかr」


「はぁ、残念ね」


「!!!」


なんと煙から出てきたのは無傷のフィアだった。


「え………え?…あ……あんた…なんで?…あーしの攻撃をくらったはずじゃ…?」


「いやツタを抜け出したからくらってないし…そもそも攻撃上昇の魔法使ってあのツタの拘束力?がっかりだわ」

「じゃそっちのターン終わったって事で次は私から行くよ!」


そしてフィアは攻撃の体勢をとった。


炎の装甲アルマトゥーラ・フィアンマ!」


魔法を唱えると拳に火を纏わせたフィアが3人に突っ込んでいった。


────────


「どう?もういいでしょ?私の勝ちよ。じゃあ決闘の約束通り、私に魔法を教えて頂戴。」


「…は?あーし達そんな約束してねーし!こんな誰も見ていない決闘なんて無効だ無効!」

「はぁ…あなた達、この戦いに特化した高校をまとめる神技会がどれほどの武術と魔術を持っているか想像できないの?」

「…恐らく…決闘を宣言した時点でどこかから見られていると思うわよ」


「ぐ……だからなんだよ!お前に教える訳ないだろ!」

「あっそう、だったらこの炎を纏った拳をもう一回受けてみる!?」


バキィッッッ!!


こうしてフィアは脅して魔法を教えて貰ったのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る