第4話 闘牛と灼熱

そうして2人は試合場についた。

どうやら決闘の噂が広まっていたようで試合場は人だらけだった。

コバンはどこから持ってきたのかも分からない程大きな斧を持ってきていて、おまけに豪華な鎧まで着てきた。


「お前の体格…貴族だな。食事はとっているんだろ?」

「そうだ。お前のような孤児には分からんだろうが、俺様は1日に3食も食事をとっている」

「道理で体がでかい訳だ。俺なんて1ヶ月に一回取れればいいものさ。」

「そんなんじゃパラメータもろくに上がらないだろ可愛そうにな。だが決闘をする以上俺様はこの斧で切り潰す!」


コバンは地面に突き刺さっていた斧を持ち上げ闘牛のように突進してくる。


「確かに食事はとってないがお前みたいにただ与えられるような奴に負ける道理はないね!」



ガキィンッッッ!!!



コバンが振り下ろした斧をテオは剣でとらえる。


「やっぱコバンすげ~斧の威力半端ないな」

「でもあの剣使いも良く受け止められるな、もしかしたら勝つかもよ?」

「そんなわけないだろ~?あの体格差!武器の大きさ!どう考えてもコバンだろ!俺はコバンが勝つ方に100コル賭けるぜ」


テオが弾き返しコバンがまた斧を振り下ろす。次は斧を受け止めずコバンの後ろにまわり切ろうとした。

しかしコバンの鎧で防がれてしまった。


「なるほど…お前の鎧は硬いな…俺の剣が効かなかった…」

「…お前も中々の強さと素早さを持っているな。これでは勝負がつかない…ならば本気でいくまで!速度上昇ピウ・モッソ!」


コバンが魔法を唱えたあとの攻撃は今までとは違い、テオは攻撃を受け止めるので精一杯だった。


「ふはははは!!どうした!俺様の速度に手も足も出ないか!!」

「あぁお前の動きは素晴らしいよ。だがこのままだと負けるので俺も魔法を使わせて貰う!!」


ガァンッッッ!!


コバンの斧を弾き返した後にテオは追い撃ちをかけた。


炎の装甲アルマトゥーラ・フィアンマ!」


瞬間、テオの剣が炎を纏いコバンの腕を切り飛ばした。


「な、何だと!!!」

「うおぉぉぉ!!!」


ズパァン!!!


テオは炎の剣でコバンの胴体を鎧ごと一刀両断した。


「……あ…あの赤髪の剣士が勝った…!」


ワアァァァァ!!!!


試合場は予想外の結果に盛り上がっていた。



「…如何致しましょう。ラーレ会長。」

「ここが安全区域じゃなかったら彼、死んでたね。…よし、会議を開こうか」



こうして後に高校を大きく変える決闘は幕を閉じた。

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