第45話 飽くなき悪 

ゲル「どう変わったんだ」

海斗「三人目は沖縄を琉球と謳い、中酷と合意。県民の命を守ることは中酷の下僕に

   なることだと真剣に考えている知事だったが変えた。被災地で火災が起こっ

   た。隠蔽された問題が浮き彫りになった。太陽光パネルだ。水を掛ければ漏電

   の恐れがあり安易に近づけない。感電した者にも。そんな危険な物を民家に設

   置を義務付ける条例を通した。憩いの場であり避難所にもなる公園の樹を伐採

   して迄、太陽光パネルの設置を推進しようとしている」

ゲル「きな臭いなぁ」

海斗「鼻が利くじゃないか」

ゲル「まぁな」

海斗「太陽光パネルは故障していても太陽光が当たれば発電の恐れがある。復旧作業

   の妨げになる。製造・販売会社も漏電・感電の危険性を喚起している。また鉛

   やセレン、カドミウムなどの有害な物質が流出する恐れもある。震災であれば

   土壌汚染にもなりかねない。さらに発火の拡大と消化方法が行き渡っていない

   のが現状だ。消防士も安易に近づけない。産業廃棄の方法も費用も問題だ。何

   より売り文句の買い取り電力も大幅に値下がりしている。一部破損でも大規模

   なメンテナンス費用が掛かる。そんな危険な物を義務付ける。前回の震災で電

   力不足になった際、有効的だったのは風力や太陽光ではない火力だ。安定供給

   がまだ望めない太陽光発電は積極的推進するものではない」

ゲル「なぜ、そんな未確定の品物を推進するんだ、そのターゲットは」

海斗「中酷との癒着だ。今度のターゲットは女性だ。中酷は男尊女卑だ。党大会にも

   女性は殆ど見られないことから信用されていない。だから賄賂は出来高制だ」

ゲル「それで条例で購入者に負担させ、ちゃっかり戸数に応じた賄賂を頂く。それが

   上手くいかないのかまとまった金額が欲しいのか癒しの樹木を伐採して小金を

   稼ごうと躍起になっている。その裏には女性初の総理の野望が見え隠れって

   か」

海斗「よくわかったな」

ゲル「まぁな」

海斗「神々の怒りが継続するとなるとこのターゲットの行動は多くの国民を犠牲に

   し、被害を拡大させる。その前に阻止しなければならない」

ゲル「そのターゲットの名は」

海斗「東京都知事の大池小百合だ」

ゲル「なぜ、こいつなんだ」

海斗「震災で懸念していた火災が起きた。そして新幹線でも事故が起きた。漏電の怖

   さだ。助けに入った者も犠牲に。火が出れば水を掛けるのが反射的行動だ。そ

   の水に電流が流れ二次被害を産む。こいつはこの危険な事態を大都会に持ち込

   もうと躍起になっているんだ、新築住宅の太陽光パネルの義務化でな」

ゲル「太陽光パネルか。太陽神の恵みは尊く慎重に進めるのが人間の仕事だ。それを

   怠ったわけか。新幹線の事故は神界からの警告だろうな」

海斗「私もそう感じた。考えてみろ。大都会で地震が起こる。耐震性が保たれれば甚

   大な被害は出ないだろう。しかし、低層な密集した太陽光パネルを載せた民間

   住宅で火災が起これば全焼しながら隣家を巻き込む。風が吹けば大火になる。

   特別な消化方法が必要なだけに対応できない。感電死も増え二次災害を産む。

   迂闊に従来の消防施設団は近づけないで立ち往生し被害を拡大させる」


 ギルが唐突に現れる。


ギル「太陽光パネルには土壌汚染も付きまとう。廃棄方法も定まっていない。太陽神

   の力を借りるなら慎重に、を忘れている。恵みの裏には呪い・仇がある。安易

   に扱うのは厳禁だ。土壌汚染は深刻だ。除染が出来なければ水質汚染に繋がり

   昆虫に影響を及ぼす。それを鳥などが食べ、悪の食物連鎖を招く。奇形も生む

   がそれが人間にも及ぶ。水俣病を経験しているのに人間とは学習しないのか。

   目先の金が命より大事か、胸糞悪い」


 冷静なギルが珍しく憤りを顕わにしていた。


ゲル「ギルが怒りを顕わにした。これはただ事ではないな」

海斗「だから、優先順位を変えたんだ」

ゲル「なら、仕方ないなぁ」

    
























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