第44話 うぜい奴

 海斗は次のターゲットを見定めていた。


ゲル「なぁ、海斗。なぜ、急に動き出したんだ」

海斗「能登の大震災さ。それと同時期に起こった海保と日航機の事故だ」

ゲル「それがどう関係するんだ」

海斗「神々は怒りを自然災害で示すとされているだろ。ただ、悪魔じゃないからピン

   ポイントで怒りを示せない。以前の津波もこんな言い方は不謹慎だが都会を避

   けたのが配慮だったのかも知れない。南海トラフトが危険視されている中、予

   想もされていない場所だった。飛行機事故は思い込みや慣習の緩みが巻き起こ

   したもの。正しいと思い込んだモノが災いを招くという啓示だと受け取った。

   それも2024年は神々の怒りが人間に向きだした大統領選が行われる年。安部

   川のリードが外れたカードの就任は疑問視するが可笑しな輩を炙り出し潰すた

   めには動くだろう。激動の年の幕開けを意味していると私は考えた」

ゲル「確かに神々の啓示はえげつないなぁ。古きの清算だな。今回、耐震性に見劣り

   する旧家が多い。今後の地震に備えよの啓示だな。さらに液状化の問題や道路

   や軟弱な土地の洗い出しがされているな…ああ、難しいことは分からね~や」

海斗「それには同感だ。巻きこみ事故が平然と行われるのは災いでしかないからな」

ゲル「お前にも分からないのか。ひとついいか、あの島に送る奴らの順番はどうやっ

   て決めてるんだ」

海斗「一般人じゃなく、この国に災いを齎す者で法的に裁けない奴らだ。そんな時に

   災害が起こった」


 そこへ人の善悪を監視する和御魂・ギルが現れた。


ギル「一番目に山元与多郎を選んだのは偽善家だったからだな」

海斗「そうだ。被害者ビジネスで生き延びている。人の弱みを突いて政党助成金や寄

   付金を貪り喰っている生身の体を持った邪気だ」

ゲル「俺に分かるようにと何度も言っているだろう」

海斗「済まない済まない。震災が起きて混乱を招かないため救援隊やボランティアを

   制限してる最中、山元は売名行為で被災地へ出向く。それでやったことは被災

   者のために用意された数少ないカレーライスを優先的に食った。批判されると

   怪我をしたと車椅子姿で報道陣の前に。車椅子は被災者のためのもの。帰りの

   車では包帯を取って足を伸ばして寝る正に偽善者ビジネス。障碍者を差別はし

   ないが代弁者を用意しないいけない議員を作り出し、議事堂を大改造させた。

   一般人が殆ど活用しない場所に税金が投入された。そんな金があるなら地震大

   国の日本ならではの避難所作りに使った方がどれほど有意義か。偽善者は厄介

   だ。だから、一番目に粛清の対象にした」

ゲル「うぜいやつだな」

海斗「二番目の河負屁太郎はリニア問題で反対し日本の発展を邪魔している。それも

   本音は中酷が日本の技術に追いつき先駆者になるまでの時間稼ぎ。それをリニ

   アの工事が始まると大井川の水が毎秒2トン失われ、8市2町62万人に影響が出

   るとそんな試算をJR東海は工事を始めてから言い出したから県民の賛同を背

   後に駄々を捏ねる。県民が知事を裁くことはない。リニアの計画に関わる他の

   知事は予定が立たず困惑している。邪悪な負のエネルギーを撒き散らす中酷擁

   護の人物は速やかな排除対象者だ。裏には更に有力者同士の存在と意志も相ま

   っているみたいだがそれは今回は無視だ。中酷絡みが主体だ」

ゲル「で、三番目は」

海斗「予定変更だ」

ゲル「なんだそれ」

海斗「震災が起こった事で優先順位が変わった」

   


















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