第30話 AKA狩り順風満帆

ギル「だから、魂界の奴らが積極的に動き始めたんだ」

海斗「どういうことだ」

ギル「わからないのか、まだ寝ぼけているのか」

海斗「茶化すより論じろ」

ギル「怒りが出てるぞ。みっともない」

海斗「認める。分からないことだらけだ。教えてくれ」

ギル「まぁいい。私たちの戦いは兵器をできるだけ使わない戦いだ。人の脳内に入り

   恐怖を植え付ける。孤立させ正常な判断を削ぐ」

ゲル「中酷に入り込んだ魂界の者はうまく立ち回っているぜ。米国を煽り中酷を世界

   から弾き出す。盗人にいい思いはさせられないからな」

ギル「ああ、罠にかけるのは簡単だ。民主主義なら厄介だが独裁国ではな。自分より

   現実を知る有能な人物が己の愚かさを暴露し貶めるという悪夢をみせればいい

   だけだからな」

海斗「だから、西側諸国を知る高官を次々に更迭しているのか」

ギル「そうだ。魂界が仕掛けた罠に気づかないようにな」

海斗「しかし、私は何も出来ていない」

ギル「そうでもないさ。お前が不条理だと思う怒りが彼らを動かしている。奴らは現

   生の人間の苦痛や快感を栄養素としている。奴らが勝手に動いているわけじゃ

   ない」

ゲル「よかったなぁ海斗。役に立っていられて」

海斗「実感がない」

ギル「死神手帳にお前が思い描くような効力はない。魂界の者が動くための栄養素を

   得るためのものだ。がっかりしたか」

海斗「いや、寧ろ助かる。扱い方の分からない道具程厄介なものはないからな」

ゲル「素直だな」

ギル「今、魂界は多忙に尽きる。米国の醜い選挙を阻止しなければならない。米国が

   あたふたしているときにロシアと中酷が暴れ放題。中酷は過去との繋がりから

   入り込めたがロシアは未開地の状態だ」

海斗「だから対岸からの援助でロシアを追い込むしかないのか」

ギル「ロシアの狂言がどこまで本当なのか真偽が確かめられない以上、俯瞰から見る

   しかない。それでもロシアの誇っていた世界が脅威に思っていた武器が大した

   ことがないが分かった。ネックになるのは原子爆弾の有効性だ」

ゲル「こればかりは憶測で動けないからな」

海斗「それでも追い込まれているのは確かだ」

ギル「ロシア人で日本に留学や就職、長期滞在した者から適任者を選び出し、中酷と

   同じことを行っている。民間軍事会社のトップに自己欲求を煽り、それをプチ

   ンが裏切り行為と見做すという形でね。武器も消耗させた。補充補填の技術力

   補給力を確かめるためにね」

海斗「それじゃ、あの日本の動きもそうなのか」

ゲル「気づいたか、そうだぜ、面白いだろう」

ギル「選挙に行かない若者層を動かす。そのために分かりやすくとっつきやすい著名

   人を煽り、立ち上がらせた。それには起爆剤が必要だった」

海斗「それはLGBT法案を無理やり通したってやつか」

ギル「そうだ。不条理・理不尽の栄養素には事欠かなかったからな。議員が苦手なネ

   ットの力を使い、組織票を揺るがす脅威に仕立て上げる。一般人が組織票を企

   てる団体を不買運動も含め脆弱にし、ネットの支持こそ国民の支持と思わせる

   のが今の段階での攻撃だ。ヌクぬと居座る議員に組織票への疑心暗鬼を植え付

   けるのが目的だ」

海斗「出口調査で当確が落選ってやつか。それは面白い。流したマスゴミの出方も楽

   しみだな」

ゲル「何か元気が出てきたみたいだな」

ギル「裏では外国人への待遇に関する悪の法律改善にも取り組んでいる」

海斗「国・地方の財政をむさぼる年金一時金と生活保護か」

ギル「特に身の程と需要に合わない万博を行う大阪には生死を掛けた罠を仕掛ける。

   外国人を受け入れるしかない環境を作り、雇い入れれば自らの首を生活保護費

   で絞める。大阪人が気づくのが早いか大阪が破綻するのが早いかは見ものだ」

海斗「残忍な気がするが」

ギル「魂界が絡んでいるの嫌中が全てだ。親中は抹消する対象だ。赤は日の丸の赤だ

   けで十分だ」

海斗「ギルも、か」

ゲル「俺もだぜ」




  






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る