第4話 伝承

 今よりはるか昔、この地を治めた王がいた。

 その名はダイケン。

 三摩の地は肥沃な大地で早くから農耕が盛んな国だった。豊かな国ゆえにこの地を狙うものは多い。

 度重なる戦により、次第に三摩の地は荒廃していく。

 人々は度重なる戦と病、そして飢えに苦しんだ。

 一族の若者ダイケンは人々の苦しみを見て胸を痛めた。

 ダイケンは神々に祈った。

 天はダイケンの願いを受け入れ、龍をかの地へと遣わす。

 良き龍の力を得て、ダイケンは民を守り三摩の地を平定する。

 荒廃した大地を甦らせ、再び豊かな国へとしたのである。

 ダイケンは長きにわたりこの地を平和に治めたという。

 龍の力と供に。

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