脱出
その時、ミハエルの牢の壁に大きな穴が開き、中からモモンガの衣装のケディーが飛び出してきました。
「ミハエル!ここに居たのね!探したわ!」
「ケディー!?どうして此処に!?その力は一体!?」
「私にも良く分からないけど、不思議な力が使えるの!早く一緒に!」
「ケディー待ってくれ!ルイも連れて行かないと!」
そのルイはケディーを見て目を丸くしていました。
「怪盗モモンガ!?ミハエル、君の知り合いなのか?」
「ああ、ケディー、僕の婚約者さ。」
ミハエルに紹介され、ケディーは素顔を見せます。
「初めまして、ルイ。」
「、、、ああ、ミハエルの父上と母上が生きていたら、さぞ喜んで迎えてくれたろうに。」
「ルイ、一緒に行こう!ケディー、さっきの力で鉄格子はすり抜けられるのかい?」
「ええ、出来ると思うわ。」
ミハエルとケディーはルイを連れ出しに向かいの牢へ向かおうとしますが、ルイは言いました。
「、、、いや、僕は息子として、ルビーを止めないと。二人だけで逃げてくれ。」
「そんな!お前を置いていくなんて!」
ミハエルは食い下がりますが、直ぐに兵士達がやって来てしまいました。
「お前は怪盗モモンガ!?どこから入ってきた!」
「早く牢の鍵を開けろ!」
「さあ、行くんだ!ケディー、ミハエルを頼みます!」
「行かないとミハエル!」
「くそっ!」
兵士が鍵を開けると同時に、二人が穴の中に入って行きます。ミハエルを掴もうとした兵士の手は済んでの所で掴み損ねるのでした。
ルビーに一人の兵士が恐る恐るといった様子で報告します。
「そ、その、ご報告しますルビー様、ミハエル様を捕らえ、牢に捕らえました、ですが、、、」
「でかしたわ、すぐさま処刑の用意をするのよ。」
「い、いえその、、、突然牢の中に怪盗モモンガが現れ、ミハエル様もろとも壁の中に消えていきました、、、」
「怪盗モモンガだと!?壁の中に消えたなどと、そのような馬鹿な事があるものか!失敗は許さない!早くお行き!」
「は、はっ!」
一方二人は、ケディーの不思議な力で、城の外へと脱出していました。
「さあ、静かにこっちに、入って、手早く城から離れるのよ。」
「便利だなあ、、、もう終わりかなと覚悟したよ。」
「私を置いていったら、許さないから。」
「ケディー、冗談だよ。」
「道案内は任せてくれ、父様と二人で母様の目を盗んでは、山に虫の研究やら、薬草の草も教えてくれた。
あの頃は楽しかったよ。今は今で楽しいけどね、君のお陰さ。」
「城の裏道は、岩場になっていて、ちょっと危ないが兵士も来ない道だ、僕がエスコートするよ。」
「、、、いえ、ちょっと待って。」
丁度強い風が吹いてきて、ケディーはマントを広げます。
「空から行きましょう!私に掴まって!」
「えっ、大丈夫かい?」
「人を運んだ事は初めてだけど、大丈夫、平気よ!」
二人は空高く舞い上がりました。
「、、、凄いな。大空を飛んでるって気持ちが良いね。」
「でしょ?落ちないように、しっかり掴まっててね?」
「君に助けられたけど、僕も何時か、君に恩返しするよ。」
「恩返し、そんなの良い、何時も傍に居てくれるだけで良い。」
「ここからは、僕がガイドするよ。」
「今頃、城は大変だろうな、「ちゃんと見張ってたのか!この愚か者共め!」」
「ミハエル上手!」
「、、、だけど、ルイを助けられなかった。無事だと良いけれど、、、」
「気になる?ルイの事。」
「、、、そうだね。」
その時、空を飛ぶ二人に鳩が近づいてきました。
「!ルイの伝書鳩だ!」
「よしよし、今取ってあげるからね。」
僕はとりあえず無事だ。心配しないでくれ。
ルビーが君達の命を狙っている。どこか遠くに逃げてくれ。
ルイ
「ルイ、無事に生きていてくれよ、、、」
「、、、この町を出る?」
「、、、ああ。」
ミハエルは旅立つ決心をするのです。
両陛下、僕は、王座の場から立ち去ります。
でも心の片隅に父様、母様の思い出を胸に、勇ましく、生きて見せます。
ケディーと二人、一からの出発だけど、僕には、ケディーが居ます。見守ってくだい。空の上から
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