プロポーズ

翌朝、ケディーは爽やかな目覚めをするのですが、一羽の鳩がやって来て、ケディーは何だろうと思っていると、、

足に何か付いるのを見付けました。

「鳩ちゃんおいで、いい子ね、、、じーっとしててね。、、、ミハエルからの手紙だわ。」


―ケディーへ 今日昼前会いたい、何時もの所で ミハエル―


ーシャワーを浴びて♪ルンルン道もルンルン雨の日もルンルンあなたルンルン♪ー

(久しぶりのデートだものうーんとおしゃれしなくちゃ。)

鼻歌が飛び出ちゃうので、マザーグースにバレバレ、全くケディーって丸分かりなんだから。

マザーグースは、呆れながらもちょっと嬉しい笑顔。

ケディーは、クローゼットに見かけないドレスを見付けました。

マザーグースがこっそり用意してくれていたのです。

「マイケル君に宜しくねー。」

マザーグースの言葉にギク!神父様と言い、マザーグースといい、お見通しなのね。

「あそこは忙しいから邪魔しないようにね。」

「解ってます、私もう子供じゃないもの。」


「兎に角早く行こう、遅くなっちゃった。」

「ブルースさん、マイケルは?」

「おやケディー、マイケルなら、今日の配達の準備をしていると思うが、、、。」

「今日は、お店は休みじゃないんですか?」

「うちは休みなんて有って無いようなものさ、今日は配達が1件だけだから、昼には終わると思うよ。」

ケディーはカウンター席で待つ事にしました。するとミハエルがワインを2ケース抱えて出ていくのが見えました。

ケディーは逞しくなったなと眺めて思いました。

配達を終え帰って来たミハエルは、ケディーに気付き、話しかけてきました。

「ケディー久しぶり、ここの所忙しい。」

「忙しいのはいつもだろう?」

「ブルースさんには敵わないな。」

「ちょっと出かけてくるよ。留守を頼んで良いかい?お二人さん。」

「「分かりました。」」

ブルースグレイは、荷馬車に乗り出かけていきました。


「、、、ケディー、君には話しておこうと思うんだ。父の事、母の事、ルビーの事。」

二人きりになった所で、ミハエルは切り出しました。

「僕の父と母は、国民の事を思う良い国王と王妃だったと思う。父とはよく山登りをした。

物知りの父に優しい母、、、。僕が外の国に旅立っている間にルビーと息子のルイがやって来たんだ。

ルイとは幼馴染でよく一緒に遊んだ。母親とは違い良い奴で、僕達は仲良しだった。」

ケディーは、静かに聞いていました。

「ルイから聞いた話だと、父が倒れる前の夕食の準備中、ルビーが父のグラスに触ったらしい。

そしてその夜に父は倒れ、三日目の晩に息を引き取った。

証拠を見付けた、奴が毒殺したのは間違いなかった。

ルビーは母に父の毒殺の罪を擦り付け、牢に入れた。母が父を殺す理由なんて何も無いのに。

城の者はルビーを恐れて何もできなかった。そのまま母は牢の中で不審な死を迎えた。

牢の中で、父が飲んだ毒と同じ物を飲んで死んでいた。そうして僕が帰って来た頃には、

ルビーが玉座に座っていた。」

「酷い、、、ルイはどうなったの?」

「ルビーは自分の息子にも容赦がない。父と母が殺されている時、ルビーはルイを痛めつけ、部屋に幽閉していたんだ。

今はどうしているか分からない、流石に自分の息子まで手にかけはしないだろう、何とか助けてやりたいけど、、、」


「ケディー、これを君に。」

ミハエルは指輪を取り出しました。古そうでしたが、美しい装飾がされた立派なものでした。

「母がしていたものだ、母の物はルビーが全て燃やしたが、これだけはルイが持ち出してくれていたんだ。

、、、王家では、前王妃が妻になる者に自分の身に着けていた物を一つ渡して引き継がせる、という習わしが有るんだ。」

「ミハエル、それって、、、」

「僕と、結婚してくれますか?」

「、、、はい!」

ケディーは、嬉しくなって大きく頷きました。

二人は口づけを交わしました。

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