ミハエル

ケディーは、何時か会った青年の事が気になり、

「今夜は私、街に買い物が有るから、行くね。」

「ケディーねぇ、もうちょっと遊んでよ。」

「ゴメン、又今度遊んであげるから。」

「けでぃーねぇ、デートだ!」

子供達が一斉に声を上げた。

顔に出てしまったみたいで、

「デートだーデートだ。」

ケディーは、真っ赤な顔をして、その場を去っていきました。


そのままケディーは街に出かけました。

ケディーは傘を差して、ルンルン気分、

そこへ街の男達に囲まれて、

「俺達と一緒に遊ぼうぜ。」

「お断りよ!」

あの不思議な力を使おうとした時、何時かの青年に助けられたのです。

「大丈夫かい?素敵なお嬢さん。」

、、、あの時の人だ。

ケディーはドキドキして顔は真っ赤。

(私のハートよ静かに―なーれ、、、)

「随分探したよ、今度は逃がさない。君の名前は?」

「ケディー・ジョンソン。貴方は?」

「僕はミハエル・ウィルソン。兎に角此処を離れよう。変な連中に絡まれない所へ。」


「街を歩けば、もう安心だ。」

二人は煌びやかなレストランに来ました。

「街の中にこんな素敵なお店が有るなんて」

ケディーはシャンデリアの大きな照明が、まぶしくて、空を飛んでいる事を思い出させた。

「いけない、私は盗人、もし、私がモモンガと分かった時迷惑が、、、」

「もう、逢わない!さようなら、ミハエル!」

ミハエルは、叫んだ!

「ケディー待ってくれ!」


ケディーは、何時の間にか原っぱに来ていました。

「ここは、家族で来た原っぱだ。」

「癖って怖いわね。」

「何がだい?」

「あはは、、、此処は、昔家族で来た原っぱよ。」

ケディーは悲しい事や、辛い事があると、よくこの原っぱに来ていました。

「私が父さんは戦場に行って、そのまま帰らぬ人になり、それから3年後、母さんを亡くしたのよ。

神父様と一緒に子供の家を建て直したの。シスターや、家族で来た親子さん達が手伝ってくれて、子供の家は、見渡す限り、賑やかになったわ。」

次にミハエルが、

「僕は、旅に出てた。ルビーが謀反を企ててるとも知らず、父は毒殺され、母は冷たい牢獄に入れられ死んだそうだ。

兵士もみなルビーの言いなりさ。僕の居場所なんて、何処にもありはしない!」

「酷い事するのね。ルビーさんって人。」

「くそっ、のうのうと王座に就きやがって!」

「あっ、僕の身の上話なんて詰まんないよね。」

「うーん貴方の事もっと聞かせて。」

「ルビーさんてどこの人?」

「僕の父の妹だよ。」

「貴方の年齢、聞いても良い?」

「21歳だよ。」

ケディーは、金持ちは、何苦労無しに育っていると思っていたから、ミハエルの話を聞いて、

辛いだろうな、、、。

「僕は邪魔者だから、城を抜け出した。」

ケディーは、両親を殺されたんだもの、当り前よね

「ルビーは、自分の気に入った娘と僕とを、結婚させたがっているのさ。」

それから先は、あんまり考えたくないと黙ってしまった。


「今度は僕が、案内するよ。」

二人は、元のお店に戻ってきました。

街の中にこんな素敵なおみせがあるなんて夢みたい。

ミハエルは、目を細め嬉しそうだった。

「僕はコーヒー。君は?」

「何があるのか、分からないわ。」

「じゃ、僕が決めても良いかい?僕と同じ物で良いかな?」

ケディーは戸惑いながら見る物、聞く物、初めてで奇麗な音色以外は雨、なんか、ロマンティックと心の中で思うのでした。

「ケディーはいくつかな?」

「16歳よ。」

とケディーが答えるとミハエルは、

「顔立ちが奇麗だからか、もっと大人に見えるよ。」

「私、明日17歳の誕生日なの、祝ってくれる?」

「勿論、僕の一押しの店があるんだ。」

「いいわ、夕方5時にこの場所で。」


家路に着いたケディーはシスター達が財政が苦しいのを聞いてしまいました。

ケディーは、飛ばなくてはいけないのです。

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