子供の家

翌朝、 ケディーは神父に会いに行き、貧しい子供達や老人の様子を神父に話すのでした。

フィリップ神父は、

「私に何ができるだろうか?、、、孤児院をしようか、しかしお金が居るな。」

「私が何とかします!貧困や病気で亡くなる事の無いようにしたいのです。」

神父はケディーの目に光るものを見て、

「ああ、わかった。」

ケディーは夜の街を飛び回り、お金持ちの家に忍び込んでは、ありったけの宝石を盗み、

「怪盗モモンガ参上!」

ある時警備に見つかって大ピンチ!

「どうしよう?」

とその時指先に不思議な感触がしました。指先をぐるぐる回してたら、空間に穴が開きました。

その不思議な力で、抜け出す事が出来ました。

「消えた!」

ハミルトン警部が来る頃には、モモンガは居ませんでした。

ハミルトン警部は、

「並みの捜査では捕まえられんな。」

翌朝、神父が沢山の宝石を見て、

「これは一体、、、!これをどうする気だい!?」

「宝石商に売りに行くわ。」

「いや、私が行こう!私の古くからの男に宝石商が居る。私に任せてくれ。」

そう言うと神父は、スーツに着替え出掛けていきました。勿論宝石を抱えて。

ケディーはそのまま眠り込んでしまいました。


翌朝、ふと見ると、モモンガの衣装から、普段着に着替えていました。

神父が帰ってきて、

「気分は如何?怪盗モモンガさん?」

目覚めると神父が帰ってきていました。

「これから家を見に行こう。」

「神父様、服汚れてるよ。」

「まあ慣れない事をしたからね。モモンガの衣装は君の家の寝室に隠しておいたから、探してみて!さあ、民家にへ行こうか。」

ケディーはフィリップ神父と一緒に、民家に行きました。

「わぁー立派!」

「君の12歳の誕生日プレゼントだ!」

「まぁ、素敵!」

「ケディーの家というのはどうだい?」

「それじゃ私の家みたい。子供の家でいいよ。」

「それもそうだな。」

二人は埃を払い抜き掃除をしたり、

「そっか、神父様の服が汚れていたのは、この家のせいか、、、、有難う!神父様。」

「キッチンは問題無いし、食器もある。畑は家の畑を使えば、野菜は確保できる。」


早速その夜から、空を飛び回るようになり、金持ちの家を求めて、

「以前、入った事のある屋敷だけど、入ってみるかな?」

しかし、屋敷の蔵には何もない、大きな金庫が有るだけ、ケディーは嫌な予感がしました。

が、何も取らずに帰る訳にはいかないし、指先をぐるぐる、何時かの不思議な力で金庫の中の物に手を入れようとしたその瞬間、上から網に捕らえられ、

「やった!こら、モモンガめ、このハミルトン警部がついている限り、お前は、もう終わりだ覚悟しろ!」

こんな事で捕まる訳にはいかない。

一か八か、網の床をぐるぐる指でなぞると、またもや空間に穴が開き脱出できました。


何とか、無事に帰宅出来たケディーでしたが、神父が家で待っていました。

「苦労したみたいだね。君が今、無理しなくても、蓄えは充分あるから、ほとぼりが冷めるまで、大人しくしていた方が良いよ。」

「済みません、神父様。」

「もう遅い、早く着替えて、ゆっくりお休み」

「あっ、そうだ。明日から、シスター達が手伝いに来てくれるからね。」

(兎に角、今は眠る事にしましょう、、、)


お昼に目が覚めて、子供の家に行ったら、シスターが沢山来ていました。

もうそれぞれに役割を決めて、掃除、次々に運ばれるベッド、食器、肉や魚、ケディーの畑で取って来たであろう野菜。

何処からか、連れて来た子供達や、貧しい一家。

子供の家で倒れた見すぼらしい男性。

この男は自分をヘスラーだと名乗ったとの事。

ケディーは、その男の側に行こうとしたら、シスターの一人が、

「駄目です、傍に寄っちゃ!」

シスターが言うには、病気を持っているかもしれない、危険な男かも知れない。

様子を見て、安全だと分かるまで、近寄っちゃ駄目ですよとの事です。

神父が来て、

「家具は一通り揃ったかな?」

「肉や野菜は、そこの川の水が流れる、縁側に置こう、冷たいからね。みんなお腹を空かせている、早く食事の支度を!」

「はい。皆様、手も顔も洗いましたか?顔はきれいに洗いましたね?では、食事の前にお祈りを、、、」

「はーい、召し上がれ。」

一家で済み込んだ人達は、

「こんなご馳走食べた事無い、ありがたや、ありがたや。」

倒れていたヘスラーも元気になって、力仕事や色んな物や修理をしてくれて、皆大喜びで、

みんなとも仲良くなって一緒に畑で農作物を植えたり役に立つへスラーでした。

ケディーは食事がとれにくい子供の世話を、パンをスープの中に入れ、スプーンで口まで運ぶのでした。

勿論、どんなに手を尽くしても、手遅れの子供もいます。

ケディーはそんな時、もう少し早かったら助かったのにと、心に思うのです。

そんな日は、大空を飛んで、

「国が悪いんだ!」

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