第3話 ぼっち回避の2つの案
同期さん達の配信を見て感じました
「私、まさかのぼっちですか!?」
私以外の1期生かた達は連絡が行き届いていてデビュー前も通話を繋いで親交を深めていたみたいなのですが、どうももう同期の1人(私)と連絡がつかなくどんな人なのか分からない。と語っていました
discordもLINEも知らないため連絡の取りようがないそうです。
運営の方も電話してもザーザーっと砂嵐状態で連絡が届いていないと皆一様に発言がありました。
「見知らぬ幽霊さんがイタズラするから私だけ1人ボッチじゃないですか〜悲しいぃ(棒)」
私の迫真の演技を鼻で笑う方が目の前にいました
『ぼっちこそ、至高、でしょ。フヒヒ』
私に文学とは何かを教えてくれた春実さんです。
春実は生前物書きになりたかったらしく日々創作活動を自室で行っていたそうで、それが原因でぼっちになってしまったらしいです。
死んでからの交友も絶望的に少なくて孤児院近くの薄暗くてじめっぽい場所に居座っていたので捕獲して今では家のトイレを自室として使っている女の子なのです。
魔女さんを絶対強者として見ているらしくほかの方たちの事は目の前ではあまり話したがらないけど居ないといないで寂しがってたりしてます。可愛い子ですね
「春実さん、そんなこと言ってると余計に人が離れちゃいますよ」
『ウグッ、やめてけろーそれは私に効く。危うく成仏するところだった』
ノリが良い方なんですけどね〜
初めて合う方だとやっぱり勘違いして喋り方がらない孤高の狼みたいに捉えられるみたいで次回がないんですよ
「成仏って、私の知り合いで成仏してる人見たことありませんよ」
昔魔女さんに人が死んだらどうなるのか聞いたことがあります。魔女さんは博識ですから色々と知っています。曰く『人が死んだら?そりゃその時々だよ。私らみたいに現世に残る者もいればあんたの親みたいに現世から追放されたりする者もいる。中には自力で現世に残ったり現世から去ったりする者もいるなぁ』だそうです。現世から去ってからの事は分からないみたいです
『マジレスやめてください。ほんとオネシャス』
春実さんが真顔で、いったい何に触れてしまったのでしょう。考えても分かりそうにありません
春実さんとお話していたら膀胱の限界が近づいてきました。あと1分が限界でしょうか
「春実さん、トイレから出て頂けませんか」
表情は変えません、私のプライドが春実さんには負けてはいけないと囁いているのです!
『え?もしかして退去命令!?お願いします捨てないでください。お願いしますお願いしますお願いします』
何を勘違いしているのでしょう、私の足にしがみつくのをやめてください。こういう時干渉できる私の体が憎いです
「退去命令ではありません、数分ほどこの‘’トイレ”から出てください。はやく!」
語気を強めて言います、もう限界です
早くそこをどいてくれないと漏らしますよ
成人女性の尿漏れ・・・誰が興味あるんですか特殊性癖か何かですかね
春実さんがまだ足にしがみついて「お願いしますお願いします」と言い続けているので頭を両手で掴んで揺らしますシェイクシェイク
「ど・い・て」
押しのけて春実さんのお部屋(トイレ)へとたどり着きました
春実さんの特殊性癖に付き合うことなくなんとか尊厳を保つことが出来ました。ふ〜
ーーー蟆代@譎る俣縺溘▽ーーー
さて、どうしましょうか
事務所の方や同期さん達と連絡が取れていないのできっと印象が最悪でしょう
出来れば仲良くなりたいのですが。(あわよくばお友達に・・・)
んー1人で悩んでも解決しなさそうですね
こういう時は暇な方を捕まえて一緒に悩んでもらいましょう
リビングに行けば誰かいますよね。っと
おっ、どうやら褐色チョビ白髭筋肉マッチョおじさんのダンディさんと犬のワンさんが談笑してますね
『ーーーやはり、我々犬にとってはカリカリよりも生食の方が好みであってですねワン』
『ーーーそうだったのですか、生食はお腹を壊しやすいと思っていたのですがそこのところはどうだったのですか?』
『いや、人間殿たちと違い我々の胃や腸はヤワでは無いのでピンピンしておりましたよワン』
『ほぉ、言ってくれますね。しかし好き嫌いをしていては筋肉のバランスがーーー』
私が部屋に入ってきたことにも気がついていないようです
このまま話を聞いていては日が暮れてしまいます。声をかけましょう
「御二方よろしいですか?」
ダンディさんとワンさんが振り向いてくれます
良かった、春実さんみたく話を無視されなくて
『おや、おはようございます玲子くん』
『玲子殿おはようだワン』
先程までの白熱した討論はどこに消えたのかフレッシュな笑顔とともに挨拶されます
私も挨拶を返し悩みを共有しましょう
「おはようございます。実は御二方に助けて頂きたいのですがよろしいですか?」
ダンディさんとワンさん御二方とも嫌がる素振りなく答えてくれます
『玲子くんの助けになれるのならどんな事でもやりましょう』
『某、玲子殿に恩義があるのでなどのようなことでもやってみせますだワン』
こういうのを何と言うのでしたっけ、確か・・・紳士でしたっけ?
まぁそれは置いとき問題を解決すべく共有です!
「ありがとうございます、実はVTuberの事務所の方と同期さん達と連絡が取れていなくて関係性が危ういと思うのですよ。どうしたらいいのでしょうか?私は仲良くしたいのですが・・・」
解決策を求めたいですね
御二方は少し悩んで同時に思いついた顔をしました
いつも一緒にいるだけあって息があってますね
『玲子殿!某に妙案がありますだワン』
『玲子くん!私に案があります!』
やはり1人で悩むより大人数で悩みを共有した方がいいのですね、解決策がすぐに上がりました
「ワンさんから聞きますねお願いします」
ダンディさんの方を見ると「2つ同時に聞くのは頭が疲れますからな」と納得してます。紳士ですね
『某の妙案それは、手紙を某が配達するだワン!』
なんと!ワンさんが配達をしてくれるのですか!?いや、しかし相手先の住所が分かりませんね事務所は何とかわかるかもしれませんが同期さんの住所が分からないので難しいですね
「ワンさん、すみません。同期さん達の住所が分からなーーー」
『玲子殿!某は普通の犬ではございませぬ、現世に留まった犬ですぞだワン!電脳の匂いから相手先の居場所など簡単に分かりますだワン!』
ちなみに御二方は私の初配信や同期さん達の配信をきちんと見ていたようです。
このリビングで試聴会を開いていたみたいです。
『ワンくん、それだけでは足りないね。もっと頭の筋肉を使いたまえ』
『なんだとだワン!ダンディならどうするだワン!』
気になります、ダンディさんはいったいどんな案を出してくれるのでしょうか?
『私の筋肉が伝えてきたのです、配信で呼びかけよと』
盲点でした、そうです私は配信者でした
不特定多数の方たちに配信を通じて言葉を伝えられる、つまり事務所の方や同期さん達に言葉を伝えられるのです!
こんなにあっさりと問題が解決できるのですね!
では両方の案を採用としましょう。
「御二方ともありがとうございます、2つとも採用としましょう。ワンさん手紙を作成するので事務所と同期さん達にお届けお願いできますか?」
『任せてくだされだワン!』
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