閑話
ルゥビスを襲った大型獣の討伐を終えたその日の晩。
街は大いに盛り上がっていた。
探索者に被害はあったものの住民への被害は出なかった。
安堵した住人や無事に生還した探索者で酒場の外まで溢れての騒ぎになっていた。
それに反して王城ではこの襲撃を人為的に引き起こされたものとして調査が進められていた。
ただ、
「ルゥビスの無事に」
「無事に」
口々にそんなことを言いながら木製のジョッキを打ち合わす住人。その間を縫うように働く給仕を眺める。
「もう少し胸があればな」
「ああ、細いな」
酒が入ったせいか、それとも日中の戦闘で気分が高揚しているせいかわからないが
「兄さん達、見ない顔だけどいい店(小指を立てて)紹介しようか?」
「合法的なとこだろうな?」
「当たり前だろ。ちょっと高いけど別嬪がいるとこがあるんだよ」
「いいね。行こうぜ
「ああ、案内してくれるか」
「お、わかったぜ。すぐに行くか?」
「「ああ」頼む」
歓楽街然とした場所に二人を案内した男がその中でも一際華美な建物に向かって行き入り口で二人を招く。
案内してきた男性から店内にいた壮年の男性を紹介された。
「ここの店主だ。あとは店主に話を聞いてくれ」
「「ああ」サンキュー」
「サンキュー? なんだそれ」
「ありがとうの意味だよ」
「それで兄さん達、希望は?」
「俺は胸の大きな
「ハリのある尻をした
「いるよ。それじゃあ一人、五
「わかった」
二人は相場というものがわかっていなかった。一般的な娼館が一RGから利用できることを考えるとかなり高額な娼館を紹介されたことになるのだが、それでも店主が奥の紐を引いて暫く経ってやってきた女性を見ると満足気な表情を浮かべ手を引かれて奥に消えていった。
「また頼むよ」
「あいよ。毎度」
二人を案内してきた男は店主から幾らかの貨幣を受け取って去って行った。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
ギシギシとベッドの軋む音とチュパチュパと水気を含んだ音だけが室内に響いていた。
化粧は濃いが十分に若くて胸も大きかった。それはいいのだが、前戯もなくいきなり行為を始めようとしたのでそれを制して深く長いキスを娼婦の唇に落とした。
舌を絡めてお互いの唾液を混ぜ合わせ貪るような口付けを交わす。
娼婦の力が抜け驚いた表情を見せていた瞳は蕩けたようなものになり、その快楽を逃すように悶える体に合わせてベッドが軋んだ。
「そろそろいいかな」
この世界に召喚されてすぐに
侍女はされるがままに受け入れたが二人にとっては物足りないものだった。
キスも唇を触れ合わせるだけで舌を絡めることもなかった。
こちらの女性達の考えとしては男女の交わりも女性に挿入して男性が射精したら終わりという程度の認識でしかなかった。
それは娼館においても変わらず客(男)が娼婦に挿入、射精すればそれで客(男)が帰るという回転率の速さだった。早い場合には五分とかからず一人の客の相手が終わることさえあった。
「女を抱くんならお互い気持ち良くならんとな」
触れる度に面白いように反応する身体に男としての喜びを覚える。いや、下手な方じゃないという自負はあったがこうも自分の手で女が蕩けて身体が跳ねる様を見るのは気分がいい。
ゆっくりと娼婦の身体を弄ってその反応を楽しむ。
これまで感じたことのない快感に喘いでいた娼婦は途中から荒い息を吐き言葉にならない音のみを発するようになった。
そして行為が終わる頃には娼婦は白目を剥いて掠れた息を吐き先程まで
「やり過ぎた。まぁ、店主に言っとけばいいか」
店主にあとを任せて娼館をでたところで待っていた
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