第54話 寝坊


「ん?あれ?今何時だ?」


ゲームをやっていたらいつの間にか寝てしまったらしい

(というか俺唯さんと毛布一枚でこんなにくっついて寝てたのか、、)


起き上がって時計を確認する


「えっ?もう、10時だ、と、」


学校に行くためには7時前に起きて7時半前に家をでなくては間に合わない

(どうしよう、唯さんはもう起きてるのかな、)

そう思い隣を見る

(唯さんもまだ寝てるのか、とりあえず唯さんを起こそう)


「唯さん、10時ですって」


「おはよう純平くん」


「おはようございます、って俺もう学校行かなきゃなんです」


「遅刻ならもう休んじゃおうよ、ほらおいで」


唯さんは自分が寝ている隣のスペースをポンポンと叩いた


「本当はそっちに行きたいですけど、学校に行ってクラスで文化祭の話をしなきゃ行けないので俺は学校に行きます」


俺がそう言うと唯さんは少し残念そうな顔をした


「そっか〜残念、ならそこに少し屈んでほしい」


唯さんに言われたように屈む


「こうですか?」


「そうそう」


唯さんはそう言うと俺に抱きついて来た


「ちょっと、どうしたんですか、」


驚いて声が少し裏返ってしまう


「あんまり頑張り過ぎちゃだめだよ」


唯さんは俺に抱きつきながら頭を撫でてくれた


「頑張ります!」




色々出発のための準備を終えた


(一応最後に身だしなみチェックしとくか)

鏡に映った自分を見る

(なんだこれ?虫刺されか?)

首に謎の跡ができていることに気づいた

虫刺されのように一部分だけ赤くなっている

(もう秋なのにまだ刺す虫がいるのか、でも全然痒くないんだよな、とりあえず唯さんに虫刺されの薬を貰おう)


「すいません唯さん、虫刺されの薬ってどこにありますか?」


「虫刺され?どこにできたの?見せてみて、」


「ここです」


唯さんに首の赤くなっている部分を見せる


「あぁ、えっとね、そこはね、まぁ一応薬塗っておこうか、」


「はい、」

(どうしたんだろう、虫刺されのあとじゃないのかな?)



「これでよしっと、」


「ありがとうございます」


唯さんは薬のあとに赤みを隠すものも塗ってくれた


「それじゃあ俺そろそろ行きますね」


「うん、いってらっしゃい、頑張ってね」


「はい!」




純平くんが学校に向かった

(あぁぁぁぁぁ流石にやってしまったぁぁぁ

隣に可愛い顔があったからとはいえこれはだめだった、夜は判断力が鈍るとは言えやっちゃった、どうしよう、とりあえずファンデーションで隠したけど、次からはこういうことをしないようにしよう)


私は純平くんが学校に行ったあと一時間ほど一人反省会をした

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