第51話 大切な夢


(今お風呂に入っていて思った

唯さんや芽依さんのあとに入るのって何かの犯罪なのでは?

ってだめだな、こんなこと考えてたら)


俺は頭の中の良くない考えをどこかに飛ばすように

頭を少し横に振ってからお風呂から上がった



「純平くん、早かったね」


「おぉ~桜井ちゃんと温まったのか?」


「はい、一応?」


「なんで疑問形なんだよwww、ちゃんと温まらないと風邪ひくぞー」


「はーい」


お風呂から上がったらいつもは唯さんと少しお話をしてすぐに寝ている


「唯さん、俺今日疲れてしまったのでいつもより早く寝ます」


「わかった体ダメそうだったら明日休んでもいいよ?」


「そこまでじゃないので大丈夫だと思います」


「そっか、暖かくして寝るんだよ?」


「はい」


「桜井もう寝ちゃうのか、まぁいいや、明日も文化祭準備やろーなー」


「はい、頑張りましょう」


「おう、」



部屋のベッドに潜ってから部活の話をしていないことを思い出した

(明日話せばいいか、)

いつもは唯さんと同じぐらいの時間に寝るのでいつも隣には唯さんがいた、だけど今日はいない、少し寂しい気持ちになった

(いい感じの眠気が来たし寝るか)


「おやすみ」


一人しかいない部屋でぽつりと呟いた

まるであのときと同じだった



目が覚めた

周りを見渡す

(お母さんはもう仕事に行ったのかな?、違った、お母さん昨日から帰ってきてなかった)

リビングに移動して食べるものを探す

今日は土曜日なのでキッチンにあったパンを食べながらヒーロー番組を見る

子供向け番組なのでファミリー遊園地のcmが流れる

(僕もお母さんとお父さんとそういうところ行ってみたいな、でもお仕事忙しいから無理か)

毎週月曜日になり、小学校に行くと大体誰かが休みの日に親と遊びに行った話をしている

それがずっと羨ましかった


「今日は何をしようかな〜」


口に出したはいいものの特にやることはなかった

そこから一日はだらだらと過ごした


時間を見ると夕方の3時少し前だった

(公園に行こう)

急にそんなことを思った、公園に行けばお父さんとお母さんと一緒に遊べると思ったのかもしれない



「ついたー疲れたー」


家からさほど遠くはないけれど小学生にはそれほど体力はなかった


「あれ?なんか声が聞こえる?」


公園には男の人一人と女の人一人しかいなかった

その二人が喧嘩のようなことをしている声が聞こえてきた

(スーパーヒーローだったら喧嘩してるときどおするんだったっけ?うーん、とりあえずなにか良くないことを言われてる方を守るんだったっけ?)


「そこのお兄さん女の人のこと泣かしたらだめなんだよ」


とお姉さんのことを泣かしている男の人に言った

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