第45話 売り言葉に
午後の授業が終わった
今日1日は色々ありすぎて疲れた
もう帰りたい気分だったのだが最後に大イベントがあった
それは
優愛との文化祭準備、
優愛は真剣にやってくれるかわからないので俺が頑張ることになるかもしれない、そうならないことを祈っておく
「純平、帰ろうぜーってそっか、文化祭準備あるのか」
「あぁ本当は俺も帰りたい」
「選ばれたんだからしょうがない」
歩斗に便乗して後ろでうんうんと来翔が首を縦にふる
ほとんどの生徒が帰り教室には俺と優愛だけになる
「えっと、佐藤さん、文化祭の出し物何にしますか?」
恐る恐る優愛に話しかける
「知らない、ていうか私帰っていい?」
「え?良いわけないでしょ?決まったことなんだからやらないと」
「前から思ってたけどそういうのうざいから
お前なんてお金なかったら誰もよってこないよ」
さっきのは話していたのを盗み聞きしただけなのであまりダメージはなかったが面と向かって言われると流石に来るものがある
「お前こそ顔が良くなかったら誰もよってこないよもう帰れば」
「あっそ、じゃあ帰る」
優愛はそう言うとそそくさと帰ってしまった
優愛が帰ってから数分が経った
俺は1人反省会を始めていた
売り言葉に買い言葉、嫌なことをされたとはいえ流石に言い過ぎたかな〜
はぁどうしよ、
何するかすら決まってないのに
「お困りかな少年、」
スーパーヒーローのようなセリフと共に教室に入って来たのは芽依さんだった
「桜井が困ってると思ってね」
現状の俺には正しくスーパーヒーローだった
「ありがとうございます」
感謝だけしてまた考え込んでしまう
「どうした桜井浮かない顔して、またあの女子か男子との間になにかあったのかな?」
「芽依さんには敵わないですね」
「ということはなにかあったのかほれ、話してみなさい」
「ついさっき優愛に酷いこと言ってしまって」
「それはどうして?桜井はそんなこと言う人じゃないと思うんだが」
「これを言うと言い訳のようになってしまうんですけど、売り言葉に買い言葉というか、なんというか、でも自分が酷いことを言った事実は変わらないのでなんとも、」
「うーん、なるほど、」
芽依さんは少し考え込むような素振りをして口を開く
「それは君があの子のことを嫌いになれていないからじゃないか?」
「それってどういう?」
「例えば街の中に凶悪な犯人がいたとして、その人に酷いことを言っても大体の人はすぐに忘れちゃうと思うんだ、だけどね、少なからず悪いと思っていない人間にそういうことを言ってしまうと不安になってしまうんだ」
「不安ですか?」
「そう、相手がその言葉の意味をどう受け取ったかとか、冗談で言った場合とかもそうだな、
よく言うだろ、好きの反対は嫌いじゃなくて無関心だって」
好きの反対は嫌いじゃなくて無関心
俺はその言葉が胸の中でずっと残ってた
「でもそのことは後に考えればいいことだからまずは文化祭の出し物決めないと、決めてないんでしょ?」
「はい、まだ全然」
「じゃあまず何をやろうかアイディアを出そうか」
どうすればいいか悩んでいたが
芽依さんが来てくれたから頑張れそうだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます