第44話 解散
「ごちそうさまでした」
箸を置き手を合わせる
お弁当の感想は
俺ほどの語彙力じゃ表せないぐらい美味しかった
帰って唯さんにお礼しよう
「昼休みもう終わるので俺はこの辺で失礼します」
「そっか、ならあたしも戻ろ」
「お前ら教室戻るのか、気をつけてな」
「「はい」」
先生にそう返事をして
俺と芽依さんは教室を出た
「どうだった?お昼」
「そうですね、芽依さんも先生も優しくてよかったです」
というのは少し建前で
実際はめっちゃ緊張した
あまり広くない教室に女性二人といるのは緊張しないほうがおかしいと思う
失礼だと思うけどあの先生前見たときは先生だと思わなかった
理由は身長が小さいと見えたから
男子の平均身長以下の俺が言えたことじゃないけど
多分150ぐらいだと思う
でもあんまり怖くなさそうな人で良かった
「そっか、良かった良かった、気が向いたら部活入ってくれよ」
「入るとしたら少しあとでもいいですか?」
「ん?なにかあるのか?」
「文化祭実行委員に選ばれてしまいまして」
「あ〜そんな季節だったな、まぁでも参加は強制じゃないから」
「そうなんですか?」
「うん、うちの部活は少し幽霊部員もいるくらいだから参加できるときにしようね〜って感じだ」
「なるほど、わかりました唯さんと相談してからでもいいですか?」
「唯さんって、え、もしかして一緒に住んでる?」
「そうですね、色々ありまして、唯さんから聞いてない感じですか?」
「いや、そうだな、桜井の寝顔が送られて来たけど流石にその日だけだと思ってた」
「まぁそうですよね、って、え、寝顔?」
「あっ、これ言っちゃいけないやつだった?」
「えーと、俺はその話知らないですね」
「あ〜じゃあだめなやつだってことであたしはこの辺で」
芽依さんはそう言うとサササ〜と教室に戻ってしまった
俺も教室戻ろ
「純平〜どこ行ってたんだよ、大丈夫だったか?」
「俺も心配してた」
「え?心配って?なんで?」
「教室戻って来たら純平いないから他の人に聞いたら不良優等生先輩に連れて行かれたって言うから」
「すまん、何も言わずに行って」
「本当だよ、」
「それで、不良優等生って言うのは?」
「え?知らないのかあの人のこと」
「全然知らないや」
「あの人頭いいのに授業サボってばっかりだから不良優等生先輩って呼ばれてるんだよ」
「なるほど、だからあの時」
「あの時って?」
「あ〜いや、気にしないで」
「そっかわかった」
芽依さん優しいのに不良って呼ばれてるのか
まぁでも授業サボってるってだけか
芽依さんが優しいってみんな知ってくれればいいのにな
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