第39話 休息
「大丈夫だったか純平?」
俺が教室に戻ると歩斗と来翔がそう声をかけてきた
「なんとかな、体全体痛いけど」
「大丈夫なら良かった、それで、何があったんだよ、裕翔探してったきり帰ってこないし、先生はどっか行っちゃったし、気になるんだよ、」
歩斗のその発言に来翔がそうそうと便乗する
確かに教室を見渡してみると先生がいないことで半ば休み時間のようになっていた
幸か不幸かちょうど担任の授業だった
「んーなんて言えばいいのかわかんないけど、裕翔と揉めてきた」
「まぁ、だろうな、もしかしてそれって佐藤さん関係か?」
「あーそうだな」
「やっぱり、そんな気がしてたから何かするんだったら手伝うって言ったのに」
「え?知ってたんじゃないのか?」
「そうかなって思ってただけだな、確信はなかった、まぁでも少し前まで仲良かった裕翔の話したら少しおかしくなるから多分な〜くらいだったぞ」
「俺そんなに行動に出てる?」
「そこまでじゃないと思うけど流石に中学時代から一緒にいれば気づくよ」
「そういうもんなのか?」
「そういうもん」
「「はああwww」」
俺と歩斗は揃って笑った
「なぁさっきから何の話してるんだよー、俺だけ仲間はずれかよ〜」
「すまん来翔そんなつもりは無かったんだよ」
「そうそう、俺がこの前純平に聞いたんだよ」
「ならいいや」
「落ち着いたら来翔にも話すから」
「わかった待ってる」
それから20分程たち
「それじゃあ授業再開するぞ、」
と先生が教室に入って来ながら言った
生徒たちは残念そうな返事をして自席に戻る
「それじゃあさっきの続きから、教科書121ページを見てくれ」
担任の科目は社会
俺は社会の教科書を開いた
教科書は開いたのだが真面目に授業を受ける気にもなれず窓の外を眺める
幸い窓から1番近い後ろ寄りの席なので窓を眺めていてもおかしくは思われない
俺の授業の受け方は日によってバラバラだった
バレないように課題をやっていたり、寝ていたり、体調がいい日は真面目に授業を受けた
1週間しか休んでいないのに教室の雰囲気がとても懐かしく感じた
今日はその懐かしさを感じるように
噛みしめるように後ろの席から
ぼーっと教室を見て授業の時間を過ごした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます