第31話 学校と嫌な予感


「んじゃ純平俺はこの辺で」


「あぁ頑張れよ」



学校についた

歩斗は委員会の仕事があるらしく入口付近で別れた


1週間ぶりに学校に来たのでとても緊張する

夏休みなどの長期休みのときは俺以外も来ていないのでみんな同じなのだが今回は俺だけ休んでいたのでとてもとても緊張する



今更色々考えても仕方ないので道を進む

クラスに近づくほど俺の一歩が小さくなる



いつもより少し時間がかかりクラスの前までついた

ちなみに俺のクラスは

1-A、3階の一番端っこ、階段から1番近くにある


変に緊張していると逆に注目を集めてしまうと思ったので努めて平常心にする


ガラガラガラ


教室の後ろのドアを開き中に入る



中にはあまり人はいなかった

当たり前だ、まだ登校時間の15分近くも前なのだ

その事実に安堵しつつ自分の席に向かう



「ねぇ純平くん体大丈夫だった?」


敵を作らないような明るい笑顔で話しかけてきたのはクラスのトップ・オブ・陽キャ、に君臨している

上崎類だった

こいつはサッカー部で、誰にでも優しいタイプの陽キャだ、俺はこういう人のほうが怖いと思っている


「まぁ今はなんともない」


全然話したことがない人なので恐る恐る答える


「そっか〜良かった、1週間も休んでたから心配してたんだ〜」


「ありがとうござい、ます」


全然話したことないやつの心配もしてるとか陽キャって怖いな


「一緒に学校頑張ろうね、困ったことがあったら相談してね」


「あぁ、ありがとう」


俺がそう言うと上崎は他のやつのところに行った

できるだけ思っていることを顔に出さないようにしていたが少し出てしまっていただろうか?少し心配になる



突然の出来事が終わり少し安心して力を抜いていると、どこからか視線を感じた

気になったので視線の方向を見てみる


その視線の先にいたのは優愛だった

友達と会話をしながらチラチラこちらを見ている

優愛に見られていることがわかったからか俺の胃は再び悲鳴を上げ始めた

どうすればこの痛みが治まるかわからないので

とりあえずこのクラスから出ることにした



クラスを出て少し校内を散歩することにした

このぐらいの時間帯になると登校してくる人が多くなる、色々な人とすれ違いながら俺は校内をぶらぶらする



5〜6分ほど経ったと思うので教室に戻ることにする


教室に戻ると3分の2以上位の人が登校して来ていた

その中に来翔もいて、こちらに気づいたのか近づいてくる

いつも俺より来翔のほうが登校時間が早いのになんで今日は遅かったのか気になったので聞いてみた

結果はただの寝坊らしい、寝坊したので今日は送迎で来たとか

そのことについて少し会話をしていたら担任が入ってきた、そろそろホームルールが始まるということなので来翔との会話をやめ自分の席に戻った


キーンコーンカーンコーン


チャイムがなりホームルームの時間になる


「えー、それでは先週話していた文化祭実行委員のメンバー決めを行います、やりたい人いますか?」


この学校11月半ばぐらいに文化祭をやるらしい

年間予定表に書いてあったのものを1年の最初の頃に確認したはずなのだが忘れていた

というかこういうのってだいぶ余裕を持って連絡することではないのだろうか?


俺がそんなことを考えていると担任がとある提案をする


「多分やりたい人いないだろうなと思って前もってくじを作ってきましたのでこれを順番に引いて当たった人がやることにしましょう」


俺はとても嫌な予感がした

こういうときの予感はだいたい当たる

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