第21話 唯さんの過去
※唯さん視点の話になります
隣ですやすやと寝息をたてて眠っている男の子
今日公園に行ったことがよほど疲れたのだろうか
ほっぺをツンツンしても起きない
癖になってしまいずっとツンツンする
流石にこれで起こすのは良くないので眺めるだけにする
その後10分ぐらい眺めているとその男の子が少し笑った気がした、楽しい夢見てるといいな
そんなことを考えながらこの子と出会ったときの事を考える
高校3年生の冬
朝靴を入れようと下駄箱を開けると中に手紙のようなものが入っていた
その手紙を開き、見てみると中には差出人の名前は書いていなくただ
次の土曜日夕方3時近くの公園に来てください
とだけ書いてあった
最初は誰かのいたずらだろうと思っていたのだが
もしいたずらじゃなかったときに相手が悲しむと思ったので行くことにした
あのような形で呼び出されるのは初めてだったのでとても緊張した
当日はどんな服を着ていこうか悩んだ
悩んだ結果私の持っている服で一番普通の物にした
アクセサリーは私が自作したイヤリングをつけた
高校の近くに公園は一つしかなかったので3時になる10分前に公園につくようで家から出た
公園に着いたのでベンチに座って待つ
少しすると相手が来た
あまり知らない人だった
廊下で何度か見かけたことがある程度の人だった
私が
「今日はどうしたの?」
と声をかけると
相手は私の隣に座り単刀直入にこう言った
「あのさ、俺と付き合ってほしいんだよね」
相手は急に告白してきた
私は誰からも告白されたことがなかったので少し驚いた
けど、相手のことをあまり知らないので断ることにした
「ごめんなさい、あなたとは付き合えないです」
私がそう言うと相手は明らかに態度を変えた
「あーあ、ワンちゃんお前ならいけると思ったんだけどな」
相手はその言葉を皮切りに次々と良くない言葉を言ってきた
私の容姿を馬鹿にすることを言って来たり
私の性格を馬鹿にしたり
終いには私の夢であるデザイン関係の仕事をする
ということを馬鹿にしてきたり
なんで知っているのだろうと思ったのだがクラスで友達と夢の話をすることが多いのでそれでどこからか知ったのだろう
私はもう限界だった
見た目や性格を馬鹿にされたこともあったけど
夢を馬鹿にされたのが一番辛かった
今にも泣き出しそうだった
だけどここで泣いてしまったらだめだと思った
私が必死に耐えているとどこからか声がした
「そこのお兄さん女の人のこと泣かしたらだめなんだよ」
男の子がそう言いながら私達の目の前に来た
これが私と純平くんの物語の1ページ目である
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