第22話 唯さんとコスプレ
「純平くんおはよう」
「唯さんおはようございます」
「服どうかな?」
そう照れながら聞いてくる唯さん
俺は寝起きだったので頭が働いておらず唯さんを見つめてしまう
「えっと、服」
少し照れて赤くなりながら言ってくる
俺はハットして唯さんの服を見る
「メイド服ですか?」
「そう、変かな?」
「唯さんスタイル良いのでとても似合ってますよ」
「そうかな?」
唯さんはそう言いながらくるくると回っている
なんでメイド服を着ているのか疑問に思ったので聞いてみる
「今日って何か特別な日なんですか?」
「えっ、純平くんわからないの?」
「はい、わからないです」
「そっか、なら私が教えてあげよう
今日は10月31日、ハロウィンだよ」
「あーたしかに」
「本当はハロウィンらしいものがいいと思うんだけどね」
田舎だとクリスマスやお正月などのイベントは家族とするのだがハロウィンは特に何もしないので忘れていた
「唯さんってコスプレ好きなんですか?」
「趣味程度だけど好きだよ、着るのも見るのも着せるのもね」
「着せる?」
「はいこれ」
そうして唯さんから服が渡された
「これはなんのやつですか?」
「これは執事服だよ」
執事というと男性版メイドみたいなものかな?
間違ってるかもしれないけど
服を渡されたのは良いけどどうやって着ればいいのかな?
「唯さん、これってどうやって着るんですか?」
「説明してなかったねごめん」
唯さんはそう言って俺に服を着せてくれた
高校生にもなって服を着せてもらうのは少し恥ずかしかったがそういうものなのだと割り切った
かれこれ結構時間が経った
唯さんに服を着せてもらったあと色々身だしなみもいじってもらった
作業が終わると鏡の前に案内される
おお〜
すごい、これが俺か
意外と様になっていてびっくりした
「すごいですねこれ」
「どう?初めてのコスプレは」
「自分じゃない、自分になれたみたいですごいですね」
そこからはパシャパシャと唯さんに写真を取られた
いつもは写真などは恥ずかしくて嫌なのだが
今回はいつもの自分とは似ても似つかないので良かった
時計はもうお昼を回っていた
早く起きたはずなのだが時間も忘れて楽しんだ
「見てー写真たくさん撮れたよ」
「これが俺ですか?」
「そうだよ、と言っても素材がいいからね」
「そんなことないですよ」
人から容姿を褒められたのは初めてだったので照れてしまう
「俺は唯さんのほうがとても良い素材だと思いますけどね」
俺がそう言うと唯さんも照れて下を向いてしまった
結局両者引き分けのような形になってこの謎の戦いのようなものは終わった
そこからは唯さんの持っている服を着てもらったり着たりして遊んだ
こんな日があっても悪くないと思った
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