第14話 唯さんと夜


「唯さん、今日はお酒飲むんですね」


「うん、たまにはいいかなーと思ってさ」


「あんまり飲みすぎないようにしてくださいね」


俺はそう言って唯さんと自分の食器を片付ける

俺は今、唯さんに色々任せてばっかりなのでできることは手伝っている



食器を洗っているとリビングの方から声が聞こえてくる


「ぇへー純平くんー」


「なんですか、唯さん」


「純平くーん、ふふふ」


とても楽しそうな唯さん

いつもしっかりとした姿しか見ていないので新鮮である


「唯さん、もうそろそろ飲むのやめて寝たほうがいいんじゃないですか?」


「えーなら純平くんと寝る」


「ベット一つしかないのでいつもそうしてるじゃないですか?」


こないだベットも買ったほうがいいのでは?といったのだが

唯さんが寂しいからこのままでいいかな?

といったので俺は何も言い返すことができなかった



「はい、唯さん寝ますよ、」


その後俺は食器洗いを中断して唯さんをベットまで運ぶ



唯さんをベットにおろしたとき

唯さんが思いっきり抱きついてくる

そこで体勢が変わってしまい俺もベットに寝転ぶ形になってしまった


「純平くん捕まえた、」


「唯さん、俺やらなきゃいけないことが」


「そんなのいいじゃん、ほら寝よう」


唯さんが抱きついているので体を起こそうにも起こせない


「だって、純平くん、昼間私の膝枕で寝てたじゃん、次は私の番ー」



唯さんってふだん大人っぽいけど酔うと子供っぽくなるのか、


「でも、食器洗ってないですし」


「いいの、いいの、そんなの明日やれば」


「そう、ですかね」


唯さんに流されそうになってしまう


「そうそうさぁ寝よう」


そんな会話をしていると本当に眠くなってしまった

明日の自分に心から謝罪しながら夢の世界に入ってしまう



「ん?おはようございます唯さん」


「お、おはよう、」


朝から顔が赤い唯さん

熱でもあるのだろうか


「唯さん大丈夫ですか?」


「えっと、私って昨日もしかして純平くんに抱きついて寝てた?」


「あっ」


そこで昨日の夜のことを思い出す


「ごめん、昨日は酔っててってこれも言い訳か」


「いえ、自分も流されたとはいえ止めなかったのは事実ですし、」


「そっか、そうだよね、お互いの失態か、」


小さな声でそうつぶやく唯さん


「よし、なら気お取り直してご飯でも食べよう」


「はい、」


昨日の夜とは違う、いつも通りの唯さんがそこにはいた

昨日の感じも可愛かったけどやっぱりこっちもかわいいな



少し嬉しかったような恥ずかしかったような気持ちになりながら朝が始まった

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