第13話 唯さんとお昼寝


俺は今唯さんに膝枕されている

この状況やばい

色々やばい

というかついこの間知り合ったばっかりのお姉さんの家に泊まっていること自体やばいのだが

まぁそれは唯さんがいい人なのと、俺のために行動してくれているのでその問題は置いといて

今問題なのは唯さんに膝枕されているということ

嬉しいかと聞かれたら

それはもちろん嬉しいのだが

恥ずかしくて体を動かせない

試しに目だけ少し開けてみるか


目を開けると天使のような、聖母のような微笑みをしている唯さんと目があった


本題に入ろう

なぜこんなことになっているかというとそれは数分間前に遡る



時刻は午後3時過ぎ


「ゲーム楽しかったですね」


「うん、私も久々に人とゲームができて楽しかった」


「あんまり人とはやらないんですか?」


「うん、私高校ぐらいの頃からゲームしたり漫画読んだりしない人だと思われてて、特定の人とはゲームやってたんだけどその人とも社会人になってから連絡取ってなくて」


「そうなんですか、唯さん、またゲームやりましょうね」


「うん、またやろうね」



それから数分経って


「純平くん眠いの?」


「はっ、大丈夫です」


「さっき完全に寝てたけど大丈夫、夜寝られてる?」


「前よりは」


「んー、でも寝たいときは寝るのが一番だよ」


「まだ夕方なので流石に、」


「寂しくて眠れない?」


「そういうわけじゃ、」


「よし、膝枕してあげるよ」


「えっ、でも、」


「私に膝枕されるの嫌?」


「嫌じゃ、ない、です」


「よし、じゃあ決まりだねささっどうぞ」


そう言ってスカートを直す唯さん


「それじゃあ失礼します」


「どうぞ、」


唯さんの膝に頭を乗せる


「どうですか?私の膝」


こういうときなんて返すのが正解なんだろう?

とりあえず素直な感想を返すか


「柔らかい、です」


「ふふっ良かったです!」


そう言って口元を隠しながらかわいい笑いをする唯さん



俺が目を閉じると唯さんが頭を優しく撫でてくれ始める


そして今に至る


とても寝そうだ

あぁこれもう無理だ

おやすみなさい




「おはようございます純平くん」


「おはようございます」


寝ぼけた頭で考える

目を開けたら唯さんの顔があった

ん?なんでだ?


あぁそうだった俺膝枕されてたんだった

最近毎回夢に優愛が出てきて振られる夢を見る

のでしっかり朝まで寝ることができない

なので膝枕をされてすぐに寝てしまった


「唯さん俺どのくらい寝てましたか」


「えっと、多分1時間ぐらいですかね?」


「1時間、ごめんなさい疲れちゃいましたよね」


「いえ、全然、純平くんの寝顔見てたらすぐでした」


と言って微笑む唯さん

やっぱり大人のお姉さんはすごい


「純平くん、もう眠気は大丈夫ですか?」


「はい、おかげさまでしっかり寝てしまいました」


「それは良かったです、またいつでもやるのでいつでも頼んでくださいね」


「はい、」


恥ずかしさで弱い返事しか返すことができなかった


「純平くん、夕ご飯にしましょうか」


「はい、」

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