第12話 唯さんとゲーム


今日は唯さんの家でゲームをすることになった


昨日の怪我はというと顔は少し腫れていたが後の対応が良かったおかげで今はほぼ治っている



「唯さん上手すぎですよ〜」


「そうかな?えへへ」


そう言いながら見せる子供のような笑顔がとてもかわいい


俺と唯さんは昨日買ったパーティゲームの内の一本、レースゲームをプレイしている

今の戦績は俺の10戦10敗で唯さんの圧勝である


「めっちゃ難しいです、このゲーム」


「慣れれば簡単だよ、ほれほれ私に勝ってみよ〜」


そう言いながら1位を独走する唯さん

このゲームは同じコースを3周してゴールしたときの順位を競うゲームである

俺と唯さん、そしてNPCを入れた合計12人程でやっている、NPCも1番強いやつに設定したはずなのだが常に唯さんが1位を独占している


「全然勝てないです」


俺は12人中12位というとてもすごい記録を10戦ずっと出し続けている


「私が教えてあげよう」


「教えてください唯先生」


俺がそう言うと俺が握っているコントローラーの上から唯さんが手を被せてきた


「これはねこう持つんだよ」


唯さんはそう言い俺の手の位置を変える


「なるほど、こう持つんですね」


「そう、こう持ってこう動かすの」


「なるほど、」


その後も1時間ほど唯さんのゲーム教室を教わり

もう一度対戦することになった


「俺うまくなってますかね?」


「大丈夫、私が教えたんだから」


唯さんは無い胸を張りながら今にもえっへんという声が出そうである


ゲームがスタートする


前までスタートが遅れていたのだが唯さんにタイミングを教えてもらったので遅れずスタートすることができた


コーナーでドリフトをして、スピードを上げる

前までできなかった技術だ


しっかりアイテムを2つ取り、それを使って加速する


一周目のゴールを突破して二週目に入る



二週目もゴールし、最後の三週目に入る


さっき唯さんに教えてもらった、最後のアイテムは最後の直線で使うという方法をやってみる



最後の直線にさしかかる


(ここだ)


自分で使うタイミングをはかりアイテム使用のボタンを押す


そして、ゴール



結果は

7位まで上がった

でも唯さんには到底及ばない

最下位からここまで上がったので結果としてはいいだろう

だけどやっぱり唯さんに勝ちたかった


「悔しいー」


そんな声が口から漏れる


あまりゲームをやってこなかったので誰かとやるゲームがこんなに楽しいなんて知らなかった


「純平くん、次はこのゲームやろうか」


唯さんはそう言い別のゲームを袋から取り出す


「はい!」


ゲームばっかりやる休日も悪くないことを知った

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る