第3話 嫌な朝日


(は〜気まずい)


通学中の電車に揺られながらそう思う

本当は今日も学校を休もうとしたけど行かなければならないと思った

あいつとはしっかり話さなくてはいけないと思う一方会いたくないとも思う


(これからどうするかな)


そんなことを考えながら電車に15分程乗っていると目的地についた


俺の通っている学校はここ鹿原駅から徒歩20分前後の鹿原第一高校

俺の最寄り駅の火野駅に比べたら

学校の周りは田舎の方の県にしては賑わってると思う


1クラス30人前後のクラスが各学年5クラスある

田舎の高校にしては人数が多いと思う

都会と比べたら少ないけど


ただ5クラスあってもあいつとは同じクラス

今までは嬉しかったけど今は嬉しくない


しかもこの間の席替えで隣の席になった

隣の席に当たったときはとても嬉しかった

あの頃に戻りたいような戻りたくないような


田舎の電車通学とはあまり融通が聞かなくて

登校時間20分前に学校に着くような電車と

その後だと登校時間ギリギリの電車しかない

俺はしょうがなく早い方の電車で来ている


通学時は中学時代からの友人と一緒に登校している

幸いそいつとは同じクラスなので友達が全くいないということはなかった

同じクラスに中学時代の友人は3人いた

その3人の中に裕翔もいた


駅から学校への道は特に何もない一本道

一本道なので一週間も通えば慣れてしまう

距離も2〜3km程あるのだがこちらも慣れてしまえば苦ではない


今日も火野駅で合流した友達の歩斗と一緒に学校に向かう

学校に向かっている途中ではアニメの話をしたり

ゲームの話をしたり日によって様々だ

歩斗とは中学2年頃からの付き合いだ

中学2年の頃歩斗から話しかけてくれて今に至る

喧嘩はしたことがない今後もするとは思えない


今日も早すぎるほど早い時間に着いてしまった

駅の近くで寄り道でもすれば良いのだが

8時前後だとやっているお店があまりない

やっているとしてもコンビニぐらいだろうか

なので時間を潰そうとしても潰す場所がない


校内に入り教室に向かう

教室は3階にあるので意外と遠い

隣を通る先生たちに眠い目を擦りながら挨拶をする

クラスに5〜6番目ぐらいに着いた

流石に同じ電車でも自転車で来る人よりは遅い

前述した3人の友達の一人も自転車だ

ホームルームの時間まで歩斗と

いつも自転車で来ている来翔と

3人で無駄話をして時間を潰す


ホームルーム開始の10分前位に優愛が来た

何も知らない歩斗と来翔はからかってくるが

俺は優愛にどのような接し方をすればよいかすらわからない


「おはよ」


意外だった

隣に来た優愛が挨拶をしてきた

もう関わらないと思っていたから驚いた

驚いて挨拶が詰まってしまったが返した


ホームルームすら始まっていないがもうすでに帰りたいと思ってしまった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る