なぜ俺は放課後なのに家に帰れないのか
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!!!!」
「早く帰りてえええぇぇえええええええええええええええええええええええぇぇぇ!!!!」
放課後俺はひとり絶望という名の雄叫びを上げていた……
遡ること15分前
っしやっと6時間目終わったわ……さっさと家帰って録画したアニメ見ねぇと
とあれやこれや家に帰ってからの計画を立てるがだいたい失敗する
家に帰る→宿題おわす→twitter開く→ゲームの日課終わす→寝る
結局録画したアニメは溜まっていくだけ……
まぁいつかは見るからいいんだけどさぁ……
しっかりしようよ紗枝くん
と自分で自分を戒める
うん、今日は見よう!!
と思いつつ帰りの支度をしていると
「おい、紗枝」
我らがマイティーチャー
髪はロングとショートの中間?(←詳しくないから許して……大体……大体そんな感じ!!)の女性で生徒思いの優しい先生だ
1部界隈ではその生徒思いの1面から天使なんて呼ばれてるらしい
ちなみに俺は鬼畜教師としか思っていない
だって自己紹介の時止めてくれなかったんだもん……
もーう!紗枝怒っちゃったぞぉ。ぷんぷんだぁ
「ええと、楓先生僕に何か用ですか?」
出来ればさっさと帰りたい
今この一分一秒が俺にとってはとても重要な時間だ
さっさと要件言えこの鬼畜教師
と少し腹を立てた感じで返事をした
「君が何にキレてるかは知らんが、ちょっと仕事してくれ」
「は?仕事ですか?」
あっ……どうしよう……
先生に向かって「は?」とか言っちゃった
内申点下がっちゃうから先生には反抗しないつもりだったのに……てへぺろっ
と少し申し訳なさそうにする俺に構わず楓先生は話を続ける
「あぁ仕事だ。明日から始まる三者面談の資料を閉じて欲しいんだ。」
「三者面談……ですか……」
別に三者面談で成績について話すのが嫌な訳では無い
俺には両親がいないのだ。
3年前の冬交通事故で両親を失った。
あとから聞いた話だが即死だったという。
ちょうどその時コメントのことで病んでいた俺はさらなるショックを受けそれ以前の記憶がほとんど欠けてしまった。
今は少しずつ思い出してきているがまだ全て思い出したという訳では無い
そんなことがあったので親の関わる話はできるだけ避けてきた
「すまん紗枝。あまりこういう話はしない方が良かったか?」
もちろん先生もそのことを知っているのでいつも気にかけてくれていた
「いえ、大丈夫です。人の死は乗り越えなければならないものですから」
「そうだな……でもゆっくりでいいからな。
焦って乗り越えようとして自分を追い詰めるのが一番良くない。自分のペースで乗り越えていけばいい」
「はい」
と言ったところで会話が途切れてしまった
すごく空気が悪い
さっさとこの場から逃げ去りたい
「えっと……資料閉じですよね?僕やります」
「そうか……じゃあ会議室に行ってくれ
やり方は……大体わかるだろ?」
「はい」
「じゃあ頼んだぞ」
と言って俺から離れていった
さてと……
仕事するかぁ……
とぼとぼ歩きながら会議室に向かう途中
あることに気づいた
「あっ……絵澄に聞くの忘れてた……」
完全に忘れてた家に帰ることだけ考えてたせいで数時間前のことを忘れてしまっていた
全く歳をとるといいことないな
この年で物忘れか
「さっさと終わして家帰ろ」
がその希望は儚く散った
「嘘……だろ……」
俺は会議室に入るや否やその資料の多さに崩れ落ちてしまった
「こうなったらやるしかねぇ……」
俺はすぐさまスマホを取りだし
アニソンのプレイリストをかける
「っっっしゃあああああやってやらああああああああああああああぁぁぁ」
30分後
「帰りたい……」
ねぇぇぇええええどうしてだよぉぉおおお
なんで肝心な時にギガなくなるんだよおおお
それは怒りでも悲しみでもない
自分への戒め
今日という今日までギガを気にせず使いまくっていた自分への……
「と思いつつも最後の資料を閉じたのであった、と。よしこれで終わりぃ!」
今何したかって言うと自分の実体験をラノベっぽくするっていう俺の得意技
いつか書籍化してやる
タイトル[オタクの人生]
うーわ絶対売れねぇ……
もうタイトルから負のオーラが滲み出てる
荷物を取りに教室に帰る
家に帰ったらフィーバータイムだ
嬉しすぎて踊っちゃいそう
「あーでも踊ると捻挫しかけないからな……
やめとこ」
前喜びすぎて踊ったら左足挫いて捻挫した
もう才能としか思えないね
とか何とか思っているうちに教室に着いた
しかし思ってもいなかった光景が目に飛び込んできた
夕日に照らされて外をぼーっとみている彼女がいたのだ
「絵澄……なにしてんの?」
彼女はゆっくりとこちらを向いて
「あんた戻ってくるのが遅いっ!!」
そう言った
みんな聞いた?
「あんた」だってさ
そう花守絵澄はみんなの前では春空君と呼ぶのだが誰もいないところでは「あんた」って言うそういうやつなのだ
つまりツンデレだ
実在するんだね
アマゾンの奥地にしかいないと思ってた
「で……なんでいるんですか?絵澄さん」
すると彼女は頬を赤らめて
「べっ別にあんたのこと待ってたわけじゃないから……」
「わぁーお。生ツンデレですか……需要しかないのでもっとください!!」
すると彼女はもっと頬を赤らめて
「ばっ……ばかあぁあああああ!!!」
「ありがとうございますっ!!!」
と茶番的なことをしたが全く回答になってない
「で、なんでいるんですか?」
再度質問する
まあ大体検討は着くけど
「あんたはついでなんだけどね。昼のこと。あんたがブツブツ喋ってたか喋ってなかったか言おうと思って」
「えーめちゃくちゃ優しーそれだけの事で待っててくれるなんてー絵澄様てんしー」
と棒読みで言う
こいつは昔っから真面目な性格だったはずだ
性格だけに正確じゃないが
さむっ
誰だよダジャレ言えって言ったやつ
「つーいーでー」
頬を膨らませて言う
可愛い
「はいはい。ついで、ね?」
「はぁ……まあいいけど。で言ったか言ってないかだけど……」
ごくりと息を呑む……
後書き
お久しぶりです奏羽です
先生から言われたことはできるだけやるのが大切だと思うんですよね。
良心……?は少しあるかもしれませんが印象を良くするためと内申点のためです!!
受験生これ大切!!
とまあ余談はここまでにしておいて
すいませんでしたああああああああぁぁぁ
全く投稿しなくてすいません……
先延ばしにしてたらいつの間にか期間が空いて……
さて今回は春空君の過去に少し触れましたね
彼が今後どのように成長していくか暖かく見守っていてください
そして次回はっ!!
ツンデレヒロイン回っ!!
放課後2人っきりの教室で何も起きないことはなく……
それではまたお会いしましょう!!
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