起動 03
□□□ 敵基地内:アイリ □□□
敵基地内侵入に成功した私たちはポートをエイジに任せて進む事にした。前衛にガット、中衛が私、後衛がフレーナだ。私は索敵を二人に任せて、サーチモードをトラップに切り替えている。
さっそくステルス機雷を発見すると、ハンドガンを
エイジがいる場合は彼の役目がこれになるのだけれど今は私がやるしかない。機雷を発見次第次々と破壊していく。
自動扉の向こうにはかなり広い部屋に出る……かなり広いスペースだ。この広い部屋の意図は何か? 私達は警戒しながらすすむと、後ろの方で扉から電子音が鳴った……ロックされた?
「一方通行のトラップか? さすがに基地外に力を入れたせいで、トラップもショボいのばかりだな」
「こうなってくると敵の打てる手も限られてくるけど……一撃の重い攻撃で特攻か……」
「防御を固めて時間切れ狙いだね」
「おお、まさかの両方かよ!? EXT3体目とかマジか!!」
奥にあるコアを守るように白い重装備のボディーアーマーを装備したランカー『アーサー』と、その隣に巨人……カスタム機の
迂闊だった……相手のリーダーは何度か戦ったことはあるけれど、名前から想像出来るように騎士道にこだわった正々堂々とした勝負を好むから、こんな奇策を使ってくるとは思わなかった……今更だけど先入観で判断はいけないわね。
どうする? 生身の状態でどれほど強くてもさすがにカスタムされた
ここまでエイジに来てもらう? でも向こうのポートを破棄してその間に私達が持ちこたえられなければスタート地点からやり直し。
基本的に
「アイリ! ここはボクとガットが時間を稼ぐから、ギリギリ部屋の端まで戻って奥で
「
「いいから行けって、大丈夫だ、お前が
脳天気な事を言うガット……でもそうね、悩んでいるくらいならやることやらないとね。私は入ってきた入り口に向かいながらエイジに連絡を取る。
「エイジ、敵のコアルームにカスタム
□□□ 基地入り口:エイジ □□□
『エイジ、敵のコアルームに
「そういう作戦だったか……了解だ」
短く返事をするとレーダーで敵の位置を確認した。外でリスポーンした2機は完全に時間切れ狙いか付かず離れずの距離を保っている。
「やれやれ、お気軽に言ってくれるな……まぁ、ここで期待に応えられるとロボット物の主人公っぽいよな」
こちらが基地外壁に取り付いたらポートを破壊しつつ全力でちょっかいを掛けてくるだろう。破壊可能な建物の耐久度は敵味方関係なく攻撃されれば減る、そうなれば下手に射撃武器を使えないから相手が近づいてきてくれるな……よし、これでいこう。
俺はポートを破棄すると……相手に破壊されるとフォースゲージが減る……翼を展開して空へ飛び全力ブーストでアイリ達がいるであろうコアルームへ向かう。相手が慌てて動き出したが一瞬でレーダー外に消えていった。
仲間とのデータ共有で建物のどこにいるのかは分かる。破壊する外壁に当たりを付けると右の肩アーマーが変形して腕を包み込むと、そのままブラストソードを構え急降下を始めた。降下の勢いに加えてブラストソードの加速特性が加わりとんでもないスピードになる。
「地面に激突したら、さすがのアークキャリバーでも一撃でやられるな」
外壁を切り裂いたら上方向転換……こんな滅茶苦茶な操作は普通はできない。オート制御を切ってマニュアル操作が可能になって初めて挑戦する権利を得るられる。そしてこの俺には出来る! 何度も自機を破壊しながら練習したからな。
ぐんぐん迫り来る外壁……だが俺は勢いを止めたりはしない。
「行くぞ!! 必殺、メテオザッパー!!」
斜めに斬撃を入れ、タイミングを計ってから剣を返してV字になるよう切り上げる。すると基地の外壁がはじけ飛ぶ。激しい砂埃が舞うと外壁に穴が空いたことを確認した。
「あれ? もう2~3回くらいやらないと駄目かと思ったが一撃か……これは敵を待つ必要ないな」
レーダーで基地内の敵
ハンマーが振るわれる前に加速して懐に入り込みブラストソードで切り上げる。敵
『おい、あぶねーって!! 気をつけろよ!!』
「おっと、悪いな……でも間に合っただろう?」
『さすがエイジ……
そう言いながらも傷ついた体に活を入れながらガットとフレーナは敵のコアへ向かって走り出している。
『ありがとうエイジ……あなた最高よ』
「期待の答えてこそのエースだからな」
後からアイリが2人のあとに続いて走って行った。
両手を失った敵のパイロットが
どうだ、このチート武器は? 凄いだろ……そのかわりこれ持っているだけでフォースゲージ消費が爆上がりだ。俺は一回やられたら復帰出来ないんだぜ?
するとレーダーに反応があった。ようやく追いついてきたか……俺は自分が入ってきた穴に向かって二丁のハンドガンを掃射した。無防備に入ってきたランスを持った
「ちゃんと盾を構えて入ってこないと駄目だろう」
『ち、畜生!!』
再びオープンチャンネルで相手に挨拶すると律儀に返してくれた。最初に倒した奴だよな……意外と良い奴なのかもしれない。
既に相手のフォースゲージはゼロだ……これで相手はリスポーンすることは出来ない。
敵のボスと戦う3人を横目に俺は再び外壁から外に出た……もちろん盾を構えてだ。
外に出た途端に銃撃が襲ってくるが、アークシールドは相手の攻撃をしっかりと受け止めている。残り時間もそこそこ、もはや勝敗は決したと言えるがランクアップの為に俺のスコアになってもらおう。
『来るんじゃねー!! もう勝負は着いただろう!!』
おっと、オープンチャンネルで話しかけられた。
「何を言っている、俺を倒して基地内の俺の仲間を倒せば勝てるかもしれないぞ」
『心にもないこと言ってんじゃねーよ!!』
「言葉は要らない、ただ剣で語るのみ!!」
『俺は銃なんだよ!!』
俺はガトリング砲からの攻撃を蛇行回避しながらブーストダッシュで近づく。相手はこちらを捉えることが出来ていない。
剣の間合いに近づいてきたタイミングで、二つにスライドしたアークシールドからブラストソードを抜き、すれ違いざまに相手の胴を一閃……敵
『WINNER チーム:ディープストライカー』
ちょうどあちらの勝負も着いたようだ……期間のカウントダウンが始まると、景色がホワイトアウトしていく。
再び視界が開けた時はチームのホームのリビングだった。他の3人も一緒に転送されてきたようだ。最初にガットと目が合うと、互いに右手を掲げて軽くぶつけ合った。フレーナはアイリに抱きついているが
「やったな、これで全国だ」
「おお、俺、興奮してきたぜ」
「まぁ、ボクたちの実力なら当然だったけどね」
「私達まんまと敵の罠にハマったっていうのに……調子が良いわね」
相変わらず委員長なアイリは兜の緒を緩めることを知らない。
「まぁまぁ、反省会は後で出来る。今くらいは喜びを分かち合うのが大事だと思うぜ」
「おお、エイジ良いこと言うな」
とは言え、アイリも顔は喜びを隠し切れていない。みんなテンションがかなり高くなっている。
「おっと、アイリ、そういえば話があったんだっけ?」
「ちょっと、何でみんなの前で言うのよ!」
「お~? なんだ~? 夫婦で二人きりのお祝いをしたかったのか~?」
「な~んだ~、言ってくれればボクらは引き上げるよ~」
「違うわよ、こういう風になるから嫌だったのよ」
アイリは特に恥ずかしがっている訳ではないようで、本当に真面目な話があったのかもしれない。うーん、悪い事をしてしまったのかな? でも特に口止めされている訳ではないから俺、悪くないよな?
「あれ? ルームから移動出来ないや」
「ん? なんだ? 本当だ、俺も移動のメニューが消えてるな」
なんだ? バグか? 変なタイミングでメンテでも入るのか? メンテはいる前にログアウトしないと、目覚めた時に気持ち悪くなることがあるからな……いつでもログアウト出来るようにメニューを開いておくか……ん?
「おい、ログアウトも出来ないぞ……メニューが消えてる」
「本当? 運営に連絡しないと……うそ、関連したメニューがまるごと無いわ」
「おいおい、大昔に流行ったライトノベルかよ……ログアウト出来ないでデスゲームが始まるっての?」
「やだよ、一体何なの? 何だか怖いよ」
戸惑う俺達に一つのコールメッセージが届いた。
『適合者の条件が整いました……ただちに覚醒します』
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ここまでがオープニングみたいなものです。
ここから本編に入っていきます……まぁ、テンプレあるあるな感じですよね。ヒロもよくゲームのログアウト不能になってなんとか朝に脱出したりとかあります(寝落ちしていたとも言います)
とりあえず区切りの良い3話までまとめてアップロードしましたがどうでしょう?
ワクワクドキドキして貰えたでしょうか? 自分では面白いと思って書いてますが共有して貰えると嬉しいです。
今夜4話目をアップロードする予定です。
面白かったら★★★、フォロー、応援、レビューなどなどお願いします……物語を紡ぐ原動力となります。
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