第3話 状況

なんなんだ。今のは。いきなり地面から大きな口のようなものが出てきて8人を食べていった。・・・頭では理解してる。ただ感情が追い付いてこない。


「皇・・・今のはなんだ?何が起きているんだ・・・」

「俺に言われてもわからない。とりあえず教室に戻らないか?」

俺の提案で残っている7人は今出てきた教室に戻ることにした。


「とりあえず今の状況を整理しよう」

とりあえず司会をしているのはキャプテンの月城と副キャプテンの風見と俺。意外とみんな冷静でしっかりとしている。


「今わかっていることは部活が終わって帰ろうとしたら8人が地面から出てきた口に食われたってこと」

「ヒントとしてはあの張り紙とかあるね」

「ちなみに放送室にはもう向かったのか?」

そういうのは南雲。彼の守備位置はライト。性格としては結構まとめ役って感じ。いつも副キャプテンの補佐をしてくれている。


「いや向かってない」

「それなら一度見てみるべきじゃないか?少なくともそこに人はいたんだし」

「そうだね。ただ今はみんなでいるべきじゃないかな?今のここで一人行動するのは危険すぎる」

「それもそうだな」

南雲は合理的。こういう時にはすごい頼りになる。


「てか、なんで今日に限ってラウンジが使えないんだろうな」

「それもそうだね。いつもだったら使えてるしここに来なければ普通に帰れてたような気がする」

「なんか仕組まれているような感じが」


そういったところでまた放送が鳴り始めた。

「皆さん。お元気ですか?仲間を失ったのにもかかわらずここまで冷静なのは本当に素晴らしいですね。ということで次のイベントを用意しました。どうぞ楽しんでください。

それでは」


放送が終わると周りが静かになる。ただ何かの足音が聞こえるわけでもないし少し拍子抜けする。

「やっぱり放送室に行くのが急務じゃないのか?」

「そうだね。そうしないと何もわからないような感じがするし」


その時どこからか音が聞こえてくる。その音は足音というよりもカサカサといった感じの音。完全に良くない。これは危険だと俺の感が言ってる。


「月城・・・どこに逃げる?」

「そうだなー。ここからだと1号館も3号館にも逃げられるからね」

「3号館がいいんじゃないのか?1号館に逃げると結構追い込まれるぞ」

「確かにそうだね。それなら3号館に移動しよう」


ということで移動を始める7人。ただ彼らはあいつらの強さがまだわかってなかった。

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