第8話 Fin

 私がそう思ったところで、ぷりるん、ぷりるん、ぼんぼんぼん、と音楽が重なる。

 人の声と楽器の音を組み合わせた、陽気な音楽だ。

 ということは、いま私が見ていたのは映画だったのか。

 このまま見ていたらエンドロールが流れるのかも知れない。

 でも、私は、そこまで見ているつもりもなかった。

 私は、暗い映画館の中で、椅子から立ち上がった。

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