第2話 僧院の下見

 ガラクの大使はまだ街に来ていない。

 講演の会場は街の住宅街にあるガラクの僧院だというので、そこにあいさつに行って下見をする。

 出迎えてくれたのはふしぎな色の目をしたガラク人の尼さんだった。尼さんというか、ガラクの宗教の女性聖職者。もしかすると、聖職者ではなく、この僧院の管理をしているだけで宗教とは関係のない女のひとかも知れないが。

 そのひとは僧院の裏手に案内してくれた。

 僧院は漆喰の白い塀に囲まれていた。

 石敷の道路から入ったところは四角い形をしていたが、僧院の後ろのほうは円い形をしていた。敷地ぎりぎりまで僧院の建物が建っている。塀とのあいだにはつつじのような低い木が植えてあったが、日あたりは悪く、あまり育ちもよくない。

 私は、その尼さんに裏口から僧院に入れてもらい、なかを見せてもらって、少し尼さんと話をした。

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