ガラクタイシ

清瀬 六朗

第1話 ガラクの大使が来る

 ガラクの大使が、私の住んでいる街に講演に来るというので、上司から接待役を仰せつかった。

 前に私が一週間ぐらいガラクに旅行に行ったこと、その準備にちょっとだけガラク語を習っていて、初級ぐらいの文法なら知っていて、あいさつぐらいならできること……。

 そんなことを上司は覚えていたらしいが。

 単純に、仕事を押しつけやすいから私に押しつけただけのような気もする。

 だいたい、国際化とは英語で仕事ができるようになることだ、と言って、ふだんは英語以外の言語なんか歯牙にもかけない上司なのに。

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