青果コーナーではない

「凡庸な仮説を立てることで救われる心なら

 要らない」


 なるほど

 彼女はいま すべての可能性に目をとざした

 自らの美醜を判断するのは世界だと決めてかかって


 林檎の皮を剥くように 彼女は顔を手でおおった


「手をひらくとそこには

 きっと真白い果肉があって」


 好きにしたまえと世界はいうだろうが

 それはネグレクトの親がつかう愛の論理だ


 三角コーナーに注がれる視線が腐乱している

 声はきこえないだろう

 彼女はすでにくだものになっているから

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