赤い街
夕闇の前にたちはだかる
軟らかい筒をみている
それはガラスのように透明ないきもの
いきもののようにグロテスクな口腔
口腔のように甘やかな連呼
覗きこむ
やはりどこか遠くへ繋がっている
街の中はどこまでも赤い背中に染まるように
楽しむまでもない時の線の中の交差の中で
響く
夕闇の前に繋がっている口腔の透明は甘い
街の中に背中の赤い線を交差させる連呼はグロテスクだ
人間と人間の最終的な四センチが私たちの距離から距離への指標として認知されていく
私たちの湾岸に沈む腕をつかみとる腕
赤い腕 グロテスクな透明の腕
夕闇の前にたちはだかる透明な筒を覗いては
正面からでもそこからでも横からでも変わらないと言いながら泣く
赤い背中たちが泣くように連呼する表情は
しばらく経って 驚いたことに
透明な筒になった
私は筒を抱きしめた
かわいそうに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます