催眠術

 大瀧は熱心に催眠術スクールに通っていた。

 それもそのはず、催眠術を使ってよからぬことをしようと企んでいたのだ。

「よし、あとは卒業試験さえ合格すれば、完璧に催眠術をマスターしたことになるぞ。そうなればその後は…ムフフ」

 悪巧みをしている大瀧の力は凄まじく、卒業試験は見事にトップで合格した。

「これで催眠術を完璧にマスターしたぞ。俺の催眠術にかからない奴は多分いないだろう。さてと、早速いい女でも探しに行くとするか」

 大瀧はいそいそと合コンに出掛けて行った。


「ムフフ…今日は現役モデルとの合コンだから、かなり期待が持てるぞ」

「こんばんは~」

 そんな事を考えていると、女の子三人がやってきた。

 どの子を見ても可愛くてスタイルは抜群。大瀧の瞳はギラギラと輝いた。

 その後、会話やゲームなどをして盛り上がっていくうちに、大瀧は『沙衣さえ』というおっとりとしていて少し天然な女の子を気に入った。

「沙衣ちゃんて本当可愛くて面白いよね。俺って合コンでこんな気持ちになるの滅多にないんだけど、沙衣ちゃんの事もっと知りたくなっちゃった。これから二人で抜け出さない?」

「え~。この後皆でカラオケ行くんでしょ~?そっち行って楽しみたいよ~」

 沙衣は大瀧に特に興味がなかったらしく、軽く断られてしまった。

「やっぱり駄目か…。しょうがない…催眠術を使うとしよう」

 大瀧は沙衣の耳元で囁き始めた。

「あなたは段々眠くなってきます…段々眠くなってきます…」

 その囁きを聞いた沙衣は、目を閉じ、体は大きく揺れ、最後には大瀧にもたれかかった。

「ムフフ…うまくいったぞ…」

 大瀧はニヤニヤしながら仲間に二人で抜ける事を告げると、早々に自宅に向かった。


「さてと、何をしてやろうかな。とりあえず服でも一枚ずつ脱がしていくとするか」

 大瀧は再び沙衣の耳元で囁いた。

「今日は暑い…本当に暑い…あなたは服なんて着てるのが嫌になる…どんどんどんどん脱ぎたくなる…」

 沙衣は大瀧の言葉に従い、服を一枚一枚脱ぎ始めた。

 その様子を見ていた大瀧はどんどん興奮していき、沙衣が服を全て脱ぎ真っ白い肌を剝き出しにした時、その興奮は最高潮に達した。

「くはぁ~!もうたまらん!」

 我慢の限界に達した大瀧は沙衣に抱きつこうとしたが、瞬時にその行為をやめ、みるみるうちに顔は青ざめた。

 沙衣の脱ぐ行為は止まらない。背中がぱっくり割れたかと思うと、人間の皮を脱ぎ捨て、中からはヌルヌルとした生命体が…。

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