第4話
皆聞いてくれ。俺は今、恐ろしい想像をしてしまったんだ。何かって?
──ミミックに寿命ってあるの?
いや、いやいやいや。
転生したばっかだよ? 何で死ぬことについて考えなきゃいけないんだ、て感じだけど。
いや、万一よ? 万一、このまま誰にも開けられずにひっそりと我がミミック
だけどさ? だけど、寿命が無かったら話は変わってくるでしょ?
このままずっとよ? このままずっと、独りぼっちとか、マジ気が狂うわ!
「イヤぁ──────ッッッ!?!?!?」
絶望した! 意味もなく叫んじゃうほど、絶望した!
ヤバい……! ヤバイよヤバイよ!?
この最悪の想像が当たっちゃったら……! その内考えることを止めたエンドになっちゃうよ!
それだけは回避せねば!
「フンッ!」
嫌な想像を振り払うように俺は、ひとまずフタを開けてみた。
カパカパカパパ!
思いっきり連続で開けてみたら、反作用で動けたりしないのか、試してみた。
──が、ダメ‼ 無意味……! なんの成果も得られませんでした……!
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~っ‼」
どれだけ叫んでも、どれだけ力んでも、無意味……! 無駄……!
「はぁ……はぁ……」
くっそ……。今日のところはこれくらいで勘弁してやら──ん?
……なんの音だ?
ドドドドド────!
おわぁぁぁっ!? ……何だ地震か。
ん~、マグニチュード3、いや4ぐらいか? そこそこ大きいな。
……なんか逆に冷静になっちまったのは、日本生まれだからか?
いや~、「おわっ!」だって。恥ずかしい──痛っ!?
っててて……。なんなのよもうっ!?
こちとら腕が無いんじゃぞ!? たんこぶが出来ても擦ることも出来ないんじゃ! どうしてくれんだオウオウ!?
「ん? たんこぶ?」
え、今のマジの痛みだったんか?
なーんか久しく外部から刺激を受けたわー──ってそんな事じゃなくてだ!?
「おぉっ!?」
俺の目の前に一本の槍が転がり落ちてきていた。
転生したらミミックだったけどダンジョンの最下層に誰も来ないのでこっちから出向いてみました 辛士博 @sakura_syokusyu
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