第3話

 え? そんなに人が来ないんだったら移動しないのかって?

 っはあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー(クソデカ溜め息)。

 君ねぇ? 俺がその思考に至らなかったと思う?

 いいか、よーく見ておけよ?


「フン!」

 ──カパッ!

 ミミックのフタが勢いよく開いた!

 しかし何も起こらなかった!


「フン! フフン!」

 ──カパカパカパパパパッ‼

 ミミックのフタが勢いよく開閉を始めた!

 しかし何も起こらなかった!


「ウゥゥ~~~!」

 ミミックの舌を伸ばす攻撃!

 しかし何も起こらなかった!


「カエルぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ! 合わせてぴょきょぽこ六ぴょきょぽk痛ッ!?」

 ミミックの早口言葉!

 最後に舌を噛んでしまった! 惜しいっ!

 ミミックに3のダメージ!


「はぁ、はぁ……」

 どうよ!? これが今の俺の全力よ!

 ……ふん、雑魚め。恐れをなして逃げたか。

 ──とまぁこんな感じよ。時々こうして動作確認をするのさ。しないと錆びそうだし、蝶番とか。

 え? 他に出来ないのかって? 代名詞の即死魔法はどうしたって?

 へっ……、後悔するなよ?


「ザ〇キ‼」

 ザ〇キ……ザ〇キ……ザ〇キ……(エコー)。


 …………カーッ! MPが足りないわー。足りないからなー、発動しないのもむべなるかなー。カーッ!

 ……そ、そんな白い目で見んといてもええやん‼

 しゃーないやん⁉ だって誰も来ないんだもん! 経験値なんて、得られようがないんだもん!

 俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!

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