第2話
レゾンデートルって知ってるかい?
え、知らないって?
おいおい。オタクを名乗るんならこんなにも厨二心をくすぐる単語、知ってなきゃダメだぜ? 頼むよほんと。
で、だ。レゾンデートルが何かって?
ふふ、存在理由だよ存在理由! 生まれてきた意味! 生きる意義!
あ痛っ!? あ、石を投げないで!
ひーひーふー……。
そ、それじゃぁミミックの
俺はね、やっぱ人間を騙してなんぼだと思うのよ。こう、バクッとね。
いやまー、こちとら元人間だからね。人を襲うのに抵抗が無いと言っちゃー嘘だけど、魔物になったからかね? 前世ほど人を襲おうってのに抵抗ないんだよねー。不っ思議ー。
だけどさぁ? その肝心の冒険者さんがさぁ? ……
見たところ俺が居るのは宝物庫っぽいんだけどさ。俺以外にもわんさかお宝が見えるし。
金銀財宝は勿論、なんかいい感じにカッコいい剣とかド派手な鎧とかさ? もう冒険者が見たら涎モンのお宝がいーっぱいあるのよ! くーっ、たまらんっ!
え?
…………そんな
しっかし、ここはどこだろうねー? あんまりにも宝物が多いもんだから
それにしては人は来ないわ埃は被ってるわで、長いこと放置されてるみたいなんだよね。
となると、何だ? 朽ちた遺跡とか迷宮とかか?
ダンジョンの奥! 立ち塞がるボスを倒してお宝ゲッツ! はー、ゲームの王道だよねー。
まーゲームの知識を現実に当て嵌めようとするなんて。ゲーム脳
え、
「はぁ……」
脳内に有りもしない友人を飼ってしまうくらいに、長い間孤独なミミック。
偶然にも、自身の状況を正しく把握していた。
彼の明日はどっちだ!?
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