大規模作戦編

大規模作戦前日 用事の前の夜寝れないと次の日支障が出る

 3月中旬の午前9時、隊長の声が響く。

「明日は、前々から予告していた大規模作戦の日だ!各自もう帰っていい!体を休めるなり、訓練したり、明日のために有意義に過ごすように!」

 大規模作戦とは何かは俺も知らされていない。どんな作戦だろうと考え始めた瞬間、

「な〜に考えてんのっ?」

と声をかけられた。俺に声をかけてきたのはすーさんこと澄通ちょうつうだ。年は俺の3つ上の27だが、本人がタメ口でいいと言うので、皆タメ口手離している。この人は部隊唯一の特殊隊員で多重人格者、俺は12月からの3か月間で仲良くなった。

「あっ、すーさん。いや、どんな任務かなと思って。」

「あー、たしかに気になるよね…。ウッ………」

 突如としてすーさんが頭を押さえ始めた。その様子はまるで中二病患者のようだ。これはすーさんの人格が変わるときの合図的なもので、残り2つの人格のどちらかに切り替わる。

「大丈夫ですか?」

「おう!私は大丈夫だ!」

 ああ…。面倒な人格に変わってしまった。この人格は納谷のうやといい、女だ。言葉で表せば強気で男勝り。自分勝手なところもある。ちなみにもうひとりの人格は弱可じゃくかと言い、弱気で臆病だ。

「じゃあ私は帰えるからな!帰って明日まで寝る!」

「あ、じゃあまた明日。」

 ここで納谷に「今から寝るの?」などと言ってはいけない。怒り出す可能性があるからだ。あんなタイプな刺激しないのが一番だ。

 早く帰りたい俺はバスに乗り込んだ。隣りに座ってきたのはolf部隊唯一の女性隊員(納谷を除く)である八瀬やせさんだ。

「八瀬さんも帰るんですか?」

「まあね。帰って趣味のゲームをやるんだ。」

「八瀬さんもゲームやるんですね。今度一緒にやりません?」

「ああ、いいよ。」

 この部隊で堀本さんはゲームが趣味とは聞いていたが八瀬さんもゲームをやるとは驚きだった。そんなことを話しているうちに俺の家の付近のバス停に到着した。

「じゃあ俺はこれで。また明日の任務で。」

「じゃあね〜。」

 やっと家についた。これから何をしよう。まず食事をして、ゲームをやって、アニメをみて…作戦前日というのに緊張感がない気もするが仕方ないな。心と体を休めたい訳だし。


数時間後

 眠れない。明日の作戦のことを考えているからだ。だが寝ないと明日に支障が出る。早く寝なければ…。

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