第4話 9月後編 9月は〇〇の秋とつけとけばいいと思ってる

 ジリリリリリとベルのような音が鳴り響く。隊長の馬路ばじが声を上げる。

「皆装備を整えろ!任務だ!任務内容を大まかに解説する。≪door≫から出現した≪olf≫の殲滅だ。俺と歌鍋が前に出る。新人の田楽に堀本へいもとはアドバイスしてやれ。では各自バスに乗り込め!」

 俺はバスに揺られながら堀本さんから説明を受けた。

 まず、≪olf≫というのは≪door≫から出てくる生物のこと。≪door≫とはなにかはわからないこと。隊長と歌鍋を≪イレギュラー≫といい、特殊な能力を持っていること。以上を説明して堀本は言った。

「1ヶ月間ずっと戦いっぱなしだよ。面倒くさいね。俺はもともと陸上自衛隊員だったけど、ここに異動になってから趣味とかできてないし、すごく暇。食欲やスポーツじゃなくて戦いの秋だよ。」

「戦いの秋ですか…」

 バス内にアナウンスが響く、隊長の声だ。

「ゲートから300メートル地点に到着した。ここから徒歩だ。各自きちんと装備を持って、外にでろ。」

 俺は気になったので、堀本さんに聞いてみた。

「装備ってなんです?」

「ああ、装備ってのは君が今腕に付けてるのだよ。君の装備能力は色彩毒しきさいどくと言って、相手につけた色に合わせた毒を浴びせたり、注入できる。」

「すごい能力だ…」

 そんなことができるのか。すごい科学力なのではないだろうか。

「俺のも知りたい?」

「嫌、大丈夫です。」

「ノリ悪いな…」

 集まった部隊は隊長とからの先導で≪door≫へ向かっていく。あたりのビルは窓が割れ、コンクリートが黒ずみ、廃んでいる。するとそこへ、体長2から3メートルくらいの黒っぽいワシのような何かが飛んできた。隊員たちは銃のようなものをそれに向けた発泡する。それが空から落ちてきた。隊長はそれを一瞥したあと、また足を進めた。≪door≫の目の前まで来たとき、隊長は不意に声を上げた。

「残念だが俺たちは囲まれてしまったようだ!」

 その発言を聞き、隊員たちは隊長を驚いた顔で見る。

「だが大丈夫だ。数は互角のようだ。1人1体ずつ相手するよう心がけ、戦ってくれ!!」

 すると物陰から黒く、大きなオオカミのような生き物がでて来た。どうやら俺たちを狙っているようだ。俺に一体飛びかかってきた。その瞬間後ろにジャンプして飛びかかりを避け、一発その額を殴った。獣は怯まず、爪で俺を引掻こうとする。

「オラァッ!」

と俺は叫びながら思い切り獣を殴る。獣が怯んだその時、俺は無意識のうちに腕に装備ひた色彩毒の銃口を突きつけていた。

「白」

 その瞬間獣に青酸カリウムが人間の致死量の数倍、獣に注入される。そして獣が怯み、のけぞった瞬間、獣は倒れて動かなくなった。

 周りを見渡すと、皆も獣を倒せたようだ。隊長が声を上げる。

「これにて今回の任務は終了だ!各自バスに乗り込め!帰還する!」

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