第2話 8月は好き嫌いが分かれやすい

 歌鍋とも打ち解けてきた8月。様々な店が立ち並ぶ商店街のようだが少し違うよくわからない道をあるきながら気になってはいたが聞き忘れていた職業を聞いた。

「そういえば歌鍋はなんの仕事を?」

「内緒ですね。」

 濁されてしまった。ちなみに年齢は23だという。俺は24だから1つ下だ。

「今からどこ行く?」

「あんなところにメイド喫茶がありますよ!」

 メイド喫茶なんて興味がわかない。だが歌鍋が目を輝かせて言ってくるのでしかたなく行くことにした。

「おかえりなさいませ。席にご案内します。」

 メイドさんが言う。少しメイドとしては足りない気もするがいいだろう。

「どれ、メニューはどんなかな?」

 俺と歌鍋はメニューを見る。「ふわふわ愛情オムレツ♡」や「ポロポロチャーハン☆♪」などがある。メイド喫茶にチャーハンは少し合わない気がする。だが俺はチャーハンが好きなので構わず注文した。届くまで暇なのでスマホでニュースでも見ることにした。

「おっ何だこれ。」

 そこには「東京に謎のドアのようなもの出現」と書かれている。

「おい、歌鍋こ…」

「お待たせしました。ふわふわ愛情オムレツ♡とポロポロチャーハン☆♪です。ごゆっくりどうぞ。」

 やはりメイド喫茶としては足りない気がする。このメイド喫茶嫌だな…。


数十分後

「そこそこ美味しかったな。」

「そうですね。」

 そういえばあのニュースの場所はこの辺だった気がする。歌鍋はこういうのが好きそうだ。連れて行ってみよう。

「ちょっとついてきてくれ!」

「いいですけど。どうしました?」

「ちょっとな」

 そうこう言っているうちにその場所までついた。あるのは巨大なドアと人だかりだ。それどころか暗く、重苦しい異様な雰囲気が立ち込めている。歌鍋は少し嫌そうな顔をしている。

「こりゃすごいな。」

「そうですね…。」

「すいませんちょっと電話を。」

「ああ。」

 さっきから歌鍋の様子がおかしい。こういうのが嫌いだったのか?それとも俺がおかしいのか…?そうこう考えていると歌鍋が戻ってきた。

「すみません。仕事で呼び出しがあって…。」

「ああ、わかった。じゃあな。」

「それじゃあまた今度…。」

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