キング派の兵隊


 ホテルの一室では、ベッドの上に裸の女が3人倒れていた。

 どちらも、首がへし折れていて、すでに絶命していることが分かる。


『カッソ。狩人の女が現地にいる。合流して、ギーズの血を奪え』


 上からの連絡に対し、気だるげに答える男。

 犬歯が剥き出しの大男で、体つきは極限まで絞り込まれた肉体をしていた。


 黒い肌にチリチリのツンツン頭。

 脱げば、人並み以上に締まった肉体。

 顔つきからして、凶暴そうな外見をしていた。


「もう一泊分、待っちゃくれないか」

『遊びじゃないんだぞ』

「あのなぁ。こっちは、数日分ハメ倒して、余韻に浸ってんだよ」


 椅子から立ち上がり、ベッドで横たわる死体を八つ当たり気味に蹴る。

 軽く蹴っただけなのに、腕の骨は簡単に折れ、二の腕が中央から内側へ曲がってしまった。


「ひ弱なメスはよぉ。これだから、嫌なんだよ」


 ベッドからずり落ちた死体。

 その頭を踏みつけ、グリグリと足の裏で弄ぶ。


「10発目で泣きやがるからよぉ。頭にきて、殺しちまったよぉ」

『食って処理すればいい。どうせ、そこは支配下だ。何とでもなる』


 頭を掻きむしり、『カッソ』と呼ばれた男は聞いた。


「で、その狩人の奴が案内してくれるのか? 居場所は知ってんだけどな」

『そう言うな。道案内だけじゃない。その辺は人間の住民が多いから、サポートがあればスマートにこなせる』

「へっ。……そりゃ、結構」


 通話を切り、欠伸をする。

 死体を持ち上げると、カッソは首の骨を鳴らした。


「早いけど、夕飯にすっか」


 肩から噛みつくと、体内に溜まっていた熱い血が一気に噴き出した。

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