第14話 ダンジョンへと
ダンジョン、魔物について教えてもらった俺は秋山さんとともに車に乗って外に出ていた。
久しぶりの外だが散歩気分というわけにはいかない。
「限られた時間すぎる」ダンジョン行きを宣告された日を含めて4日、実質3日ちょっとぐらいの準備で向かっている。
「そんな深くないんだから大丈夫だろう」一般的に深ければ深いほど魔物が強くなるという話は聞いた、これから行くところが深さにしてはそうでもないだろうとも聞いた。
だけど不安はある、ダンジョン攻略を専門にしている人たちもいるのにこんな付け焼き刃ともいえない準備で向かっているんだから。
そんな不安を抱えながらも車は進み続けた。
「こんな場所にあるんですね」場所は山中の道路。
山だったり森だったりやたらと自然豊かな場所での任務が多い、心が安らぐからいいけど。
ダンジョンは道路の横にある森の先にあるらしい。
見つかりやすいかと言われれば見つかりにくい気がするが、道路が近くにあるせいで管理は難しそうだ。
「道路は封鎖してないんですね」
「そこそこ離れているからな。まあこんな森の中にあっても邪魔だ、頼むぞ清心君」
「善処します」出来る限りのことはするつもりだ、自分のためにも。
車を出て森に入ろうとするとそばにいた人が俺たちを止めたけど、秋山さんが話をして通してくれた。
少し視線を感じるがそのまま奥に向かう。
森の中というのに結構人がいる、何も知らない人が見たら不思議がる光景だ。
そのまま奥に進んで俺たちはこの場の責任者に挨拶をする。
「秋山です。隣りにいるのは清心灯真、期待のルーキーです」別にルーキーではない。
「話は聞いてる。すぐに行けるな」
「もちろん」すべて秋山さんが答え、俺が口を挟む余地がないまま話が着々と進み最後の準備が済んだ。
入るメンバーは俺、秋山さん、そして護衛1人の計3人。
人数は少ない、秋山さんいわく、チームとしての動きではなく俺個人の実力を知るためだからだそうだ。
護衛の人も俺ではなく秋山さんを護衛する、つまり魔物と戦うのは実質俺1人。
目標はダンジョンの破壊、そして地上に戻る。
破壊と言うと大げさだな。
一番奥にある魔道具を取ればダンジョンは勝手に壊れていくらしい。
やることは魔物倒して奥に行って魔道具を取ればいい。
それにここは事前に攻略班が入って調査をしていくつかの情報がある。
俺はそれを使って進む、簡単に言えば成果を横取りしている。
恨まられてもおかしくないし、現にさっきから視線を感じる。
心は読めないが歓迎されてないことは分かる、敵意や興味が混じった視線だと思うが。
それでも俺は入ることができている。
ぼろぼろになって帰ってくるだろうと舐められているのか、それとも上の人から何か言われたのか。
どっちかは分からないし今の俺では推測……もできないな全部妄想になる。
「行くぞ」
緊張を感じながら足を進める。
1人がやっと入れる大きさの穴があった「これが入口」入り方も下り斜面になっているらしくロープで入る感じだ。
なんといったらいいのか人が入れるモグラの穴みたいな入口だろうか。
知らない人が見たらこの中に魔物がいるなんて思わないだろう。
「よし、清心君行くぞ」
「……はい」魔道具を取って戻ろう。
俺が先頭になり一歩、踏み込んだ。
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